キミはサンタの忘れ物

祷治

キミはサンタの忘れ物

①(人物紹介あり)


・体育系リーマン(26)×健気チャラ男(23)

※制限なし



田中たなか 智久ともひさ(26)

平凡な顔立ちだが、長身でガタイが良くスポーツ万能なため、本人に自覚は無いが地味にモテるタイプ。

今は独身恋人無しの社畜。

性格は男前で、気立てが良く兄貴肌。



桜井さくらい 雪緒ゆきお(23)

かなりのイケメンで、いかにも遊んでそうな容姿。

昔はまんまそうだったが、本気で惚れた相手には意外と健気に尽くすタイプ。




──────────・・・・・





side.Tomohisa(攻視点)





その日は冬一番の冷え込みようで、雪まで積もり始めていたのに。


街中は、ひときわ光り輝いていた。






「さっぶ…」


そしてここにもひとり、孤独な聖夜を過ごす男が─…って。自分で言うと余計寂しくなるじゃねーか。


まあ、そんなこんなで仕事を終えて。

家まで帰ってきたんだけど…






「おかえり~、こんな日にお勤めごくろーさま~。」



一人暮らしなハズの自宅アパート玄関前で、そう迎えてくれたヤツがいた。






「んん?お兄さん、田中さんっしょ?」


“田中 智久ともひさ”さんと名指ししてくるソイツは、確かに初対面で。


俺が訝しげに眉を顰めると、クスクス笑ってうちの表札を示すもんだから。

思わずなるほど~…とつい納得してしまう。






「とりあえずさ~…」


家ん中入れてくんない?とおねだりされても。

得体の知れない野郎を、いきなり自宅に招き入れるなんぞ出来るわけがなく…。


俺の警戒心は、更に高まるばかり。






「雪降ってて、ぼっちでさ~…」


寒くて死にそうなんだって、なら家に帰ればいいのに。





「んー終電逃しちゃったし。帰っても、ねぇ…」


見た目軽そうで如何にも遊んでます!…な、イマドキイケメン男子なソイツ。

こんなヤツがクリスマス独りとか、まず有り得ないだろとも思ったんだが…






「……うち、なんもねーからな。」


笑顔の端々に見せる表情が、どこか寂しげだったから。





「…いいの?マジ、で…?」


たったそれだけの理由で。

俺は初対面のソイツを…家へと招いてしまうのだ。

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