20.♦ 家の外、大振りの雨

ザアアアアアアアアアアアアアアアアア・・・


あなた「はぁはぁはぁはぁ・・・」タッタッタッタッ・・・


あなた「「妹」の奴、どこほっつき歩いているんだ!電話も切って・・・!兄として心配になるのは、当然じゃないか!!」


♦ヤンデレ妹の学校の校門


あなた「ここには・・・居ないか・・・」


♦家の最寄りのスーパー


あなた「ここは・・・居ないっ!」


♦最寄りのコンビニ


あなた「ここはどうだっ!・・・・・・居ない・・・・・・っ!!・・・待てよ・・・?・・・あそこに居るか・・・?」


♦公園


ザアアアアアアアアアアアアアアアアアア・・・


ヤンデレ妹「・・・・・・・・・」


あなた「・・・やっぱり、ここに居たのか・・・「妹」・・・」


ヤンデレ妹「えっ・・・!?・・・あっ・・・お兄ちゃん・・・っ!!」


あなた「こんなにずぶ濡れで・・・、風邪を引いたらどうするんだ・・・?」


ヤンデレ妹「・・・それは、お兄ちゃんもでしょ・・・?」


あなた「あっ・・・まあ・・・そうだな・・・」


ヤンデレ妹「こっち来てよ・・・。雨宿りしようよ、お兄ちゃん・・・」


あなた「・・・ああ、そうだな・・・」





あなた「・・・どうして、家を出て行ったんだ?心配だったんだぞ?」


ヤンデレ妹「だって・・・ショックだったんだもん・・・お兄ちゃんに彼女が出来るなんて・・・」


あなた「あのなあ・・・?クラ子と妹友ちゃんの戯言を、本気で信じているの?」


ヤンデレ妹「えっ?」


あなた「二人が俺の彼女なんかじゃ、ある訳無いだろう?今まで、俺と、あの二人、何かそれらしい素振りあったか・・・?」


ヤンデレ妹「えっ?・・えっ?・・・」


あなた「・・・・・・・・・」


ヤンデレ妹「・・・お・・・お兄ちゃんの馬鹿ぁ・・・っ!」ダキッ


あなた「うわっ!!何だよっ!急に抱き着いたりしてっ!」


ヤンデレ妹「ずっと、心配だった!!怖かったんだからねっ!!お兄ちゃんが、どっか遠くに行っちゃわないかって!?」


あなた「・・・どっかに行くって大げさな・・・。・・・俺は、お前の兄貴なんだからさ・・・どこかに行く訳ないだろう・・・?」


ヤンデレ妹「・・・・・・そうだけどぉ・・・それだけじゃなくてぇ・・・それだけじゃ・・・」


あなた「・・・・・・それだけじゃ・・・・・・?」


ヤンデレ妹「・・・うん・・・」


あなた「・・・それだけじゃないって・・・じゃあ・・・何なんだ?」


ヤンデレ妹「・・・・・・それは・・・・・・・・・・・・ごめんなさい・・・・・・わかんないや・・・・」


あなた「・・・あのなあ!適当言うんじゃ、ありませんっ!!」


ヤンデレ妹「うひゃあ!・・・ごめんなさい・・・」


あなた「・・・ったく・・・]


ヤンデレ妹「・・・ねぇ・・・お兄ちゃん・・・」


あなた「ん・・・?」


ヤンデレ妹「どうして、私がここに居るってわかったの?」


あなた「・・・・・・いやっ・・・・・・何となく、小さい頃、この公園でよく遊んだだろ?」


ヤンデレ妹「えっ・・・?・・・う・・・うんっ!!」


あなた「ふいにあれを思い出して、だから、この公園の事が頭によぎったからさ・・・それで・・・」


ヤンデレ妹「・・・あの時の事、覚えているの?お兄ちゃん・・・」


あなた「ああ、まあな・・・・・・・・・あれ・・・・・・?」


ヤンデレ妹「・・・どうしたの?お兄ちゃん・・・っ!」


あなた「俺・・・お前とここで確かに遊んでいたけど・・・あれ・・・っ?いつの事だったっけ?・・・確かに、ここで遊んでいたはず・・・」グワン・・・


あなた「(・・・確かに、遊んでいたんだ・・・『妹』と・・・でも、何故かな?子供の時、『妹』とここで遊んでいた事を思い出したら・・・急に頭痛くて・・・)」


あなた「・・・・・んん・・・おかしい・・・何か頭痛いような・・・」グワングワン・・・


ヤンデレ妹「お兄ちゃん・・・っ。大丈夫っ!?」


あなた「だ、大丈夫だよ・・・。ちょっと気分が悪くなって来ただけだ・・・。・・・すまん・・・ちょっと・・・休む・・・」


ヤンデレ妹「お、お兄ちゃん・・・っ」


あなた「・・・大丈夫だからさ・・・気にすんな・・・『妹』・・・」


ヤンデレ妹「・・・うん・・・」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る