農夫のテトは思った、俺のような人間も冒険に参加していいのだろうか、と ー青の勇者とー

中西 魯な(rona736)

序章 召喚

光と闇(異世界転生)

第1話 新聞記事

 王国暦210年10月上旬


 北部の黒の公国から、『闇』が生まれている、という報告が王都に届けられた模様である。しかしその報告はやがて消え失せた、と王国の高官は語った。なぜなら、『闇』が黒の公国の街を襲っている、という報告とともに、それらの街との連絡がまもなく途絶えたからである。


 それらの黒の公国の都市からの連絡が途絶えるとともに、黒の公国に隣接する中部の緑の公国から、魔族が現れるようになり、都市が孤立するようになってきているとの連絡が続いて入ったことを、我が社は独占入手した。


 それらの王国の危機に対し、王は五公会議を招集されることになったと政府高官は続けて語った。しかし、北部の黒の公国からの連絡は途絶えたままで、実際に王の招集に応じる見込みの公国は、西の青の公国、南の赤の公国、東の白の公国、中央の、実際に危機に瀕している緑の公国の四公国のみであるとのことである。北の山地の黒の公国は壊滅状態に陥っており、公の所在も現在のところわかっていないと、危機の様相を見せている。


 我が社は全力を挙げて事態の推移を調査・報道する体制を整えている。


 四公会議を前に(黒の公国を欠く以上、便宜上このように表記する)、王女・マリア姫が提唱し、偵察のための部隊が編成されるようになったという情報も、匿名を条件に記者が入手している。


 続報を待たれたい。


『王都デイリー』

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