幼なじみ


「菜桜ちゃん、亡くなったって」 



その言葉はどこか遠い世界線から聴こえた気がした。


「……………え?」


崩れ落ちる母親

画面越しの様な光景

それらは酷くコミカルに見えた



教室の真ん中の席には花が生けられていた。


「誰だよ…菜桜は生きてんのにこんなことすんなよ」


花瓶は窓の外に落とした。



「陽菜の気持ちわかるよ、小春日さん死んじゃったもんねー」


「辛いよねー」


五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い



お前らが俺の名前を呼ぶな 

菜桜を知った様に語るな 




菜桜、菜桜、菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜菜桜



どこ、どこにいる?


あぁそうか、あいつはかくれんぼがすきだった

どこかにかくれてるんだろ?なぁそうだろ?



あぁそうだ、あいつはあおぞらがすきだった

きっとおくじょうにいるんだ

きっとそうだ



フェンスを乗り越える。


そこにはどこまでも青い空が広がっていて、




それで









落ちて














墜ちて
















堕ちて

























暗転

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る