ターン1 魔王セレクトと社畜先輩
早速機族になってエイリアンの船を探検する。
ハッキングすると、明かりがついてく。
「エイリアンの船なんて、不思議だね」
「古の魔王様はこぞって宇宙開発に熱を上げていたんだ。その名残で、古の魔王ガチャにはエイリアンの船がでる」
「へぇ。なんにせよ、これで月基地に行けるね」
「先に月基地を落とすのか? それとも協力要請?」
「まさか。最初は様子見と自陣営の強化だよ。ゆっくり訓練と魔法書の充実を試みるさ」
忍族の配下と民衆を何人か諜報役として解き放った。サポートは機族の配下。
雫族は資金調達のために薬草園を任せる。
獣族の軍団は訓練、僕は魔法書の習熟と訓練。
十分訓練ができたら、富士の樹海にダンジョンを設置して修行しようと思う。
十分に戦力を整えたら、国として名乗りを上げる。
まずは準備を整えるんだ。というか、普通、誰だってそうするだろ。
会社で社畜をしていて、このままでは死んでしまうと思った。
そんな時に、君は才能がある、君にしかできない事がある、と言われた。
これしかない、と思ったんだ。
そんな俺を、誰がどうして責められる?
結果、待っていたのは命の危機だった。
働きすぎて死んでしまうとかじゃなくて、リアル命の危機だった。
現代の和国で何故自分がモブとなって現代異能大戦ものをやらねばならないのか。
俺の力はとても弱く、微風を操る程度である。
なのになぜ、化け物退治なんてしないとならんのか。警察とか軍にやらせろよ。
一応、理由はあるらしい。魔力を帯びた武器、俺で言えば微風を纏わせたナイフとかの攻撃しか効きにくいらしいのだ。
そんな折、俺の元に手紙が届いた。
カードには、魔法少女のイラストと謎の文字が書かれていた。
カードは俺の手の中に消えた。
「なんだ……?」
なんかむずむずする。
「ヘンシーン!」
おもむろに言ってポーズを取ってみる。中年男性のそれはとってもシュール。さらに幼女になってびっくりポン。
ありえないだろ。
ありえないだろ。
ありえないわ。
オロオロしながらも、口は唱えていた。
「ステータス!」
『ショップ
魔法書
アイテム』
びっくりだ。
びっくりだとも!
魔法書には権限1の魔法として転移魔法があった。
視界内に転移できるらしい。ただし、転移10回につき、魔石分の魔力が必要とのこと。
触った感じ、魔力≒異能の模様。似ているが違うもの、のような気がする、
ショップを見る。
すると、通貨が振り込まれた。いや、お給料と言ってもいいかもしれない。それぐらいの金額だった。
なんてこった。買い物ができる。ガチャもできる。なんならガチャチケも貰えてる。
日用品もそうだが、魔石も買えるようだった。
ラインナップからして、人間のものではない予感。えっ 妖魔とか?
世の中、ギブアンドテイクである。お給料が振り込まれる先、仕事があるのだ。
俺は一体、誰に雇われたというんんだ。
とりあえずガチャをして心を落ち着けよう。
えと、スペシャルガチャ、通常ガチャ、ご馳走ピックアップガチャと。
明らかに犬用や昆虫用とかがあるんだが……やはり妖魔用か。
お腹も空いていることだし、俺はご馳走ピックアップガチャを回すぜー!
こいドラゴンステーキ!!!
カブトムシ用ハイパースペシャルデリシャス樹液が当たった。
俺はしょっぱい顔をする。
まあいい。今度、カブトムシ取りにでも行こうか。たまには童心に帰るのもいいだろう。
その後、ロリボディを点検。
緑のふりふりドレスで、とってもTS。男から女へ。中年から幼年へ。
とっても逆転な気分である。
「えーいっ」
ステッキを振ると、鎌鼬が木の枝をスパッ 俺の微風とは大違いである。
ただし、力は減る模様。それは休憩ではなく、魔石で充填する模様。
なるほど。ピンチの時に使えるかも。使えるな。
なにせ、妖魔退治でこちとら命の危機が毎日なのだ。
それはともかく、せっかく可愛くなったのでチヤホヤされたい。
幼女動画をあげよう。
異能の存在は秘匿されてるが、これだけ可愛いければ何をしても十分に需要が発生するはずだ。
何者かの意思など考えない。
どうせ後から取り立てられるなら、今は平和を謳歌したい。
早速アカウントを取ろうか。
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