ひとり
私はこれまで、たくさんのことを経験すべく、たくさんの旅をしてきた。
いろいろな世界、土地、そこに暮らす者達に触れ、様々な空気を感じ、その時々だけの空を見た。
ある時抱いた大きな不安はいつしか忘れていき、諦めとともに満足までしてしまった。
私はひとりだ。
そう、良くも悪くも、私はひとりだった。
私という存在はひとつで、またひとりで、いろいろな世界を見たものの、やはり私はひとりだった。
どれだけ周りを見渡してみても、例え同じような風景にすら、私はひとりなんだ。
これは飽くまで私の予想だが、きっとこの命が尽きるその時も、私はひとりなのだと思う。
そろそろ「私ではない"誰か"が見つからないか」と淡い期待を抱くも、もはやそれは叶わないであろうことも知っている気がする。
ただ、私は諦めない。
私をひとりにしない"あなた"が居る限り、
私も"あなた"をひとりにさせない。
そう、だって、
私たちはひとりではないのだから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます