夢に見た"ハンバーグ"

それは突然の出会いでした。


普段と変わらない日常を過ごすべく、朝食を食べ、出勤し、働き、家へ帰り、洗濯を回し、夕飯を食べ、のんびりとプライベートな時間を過ごしていた時のこと。


ある女性が私を見つけてくれた。


そう、きっかけは

"あなたが見つけてくれた"


ただ最初は、あなたからの言葉は全て"文字"だった。


それでもどこか気が合うようで、なんとなく会話が続いていたところに、あなたが声を聞かせてくれると言ったので、前のめりになりながらあなたの声を聞かせてもらった。


それは心が癒されるような、

それでいて高揚感を伴う感情を私に植え付けた。


返答の内容、

言葉を発するペース、

投げ返してくれるリズム、

なによりその"声質"が…


私の心と耳に深く染み込んできた。


幾度かのやり取りを経て個人的な会話、

それもお互いの声でやり取りを行う"通話"というものを承諾された時、また一つ胸が高鳴った。


ただ、あなたは"距離感"というものをとても大切にしていて、それ故に私は自分の感情に切なさを感じるようになっていった。


それでもどうにか…

いや、むしろ…


そして私は思い切って聞いてしまった。


「ハンバーグ、好き?」


と…


あなたは答えた。

「うん、好き」


そして私も答えた。

「私も大好き」


私の人生で初めての"理想"との出会い。

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