第8話 邪神邂逅
魔王様との会話より三日後。
いつもどおり邪神に関する情報を集めていた時のことだった。
「ふむ。お前がこそこそと我の周りを嗅ぎ回っている余分な輩か」
突如として僕の前に絶対的な力を持った存在が降り立った。
「……ッ!?」
「貴様が何者か……まるで知らぬし、興味もないが。我の道具たる魔王を倒したお前は早々に潰しておいた方が良かろうて」
「……ばッ!?」
僕の心が、肉体が、本能が……危険であると叫び、僕にこの場を離れるように叫び声を上げる。
「『五天魔将門』」
僕は異空間収納より巨大な五つの門を召喚し、ありとあらゆる強化を己へとかけ、全力全開でこの場から離れようと加速する。
「ほれ」
膨大な魔力がこの場に荒れ狂う。
「むにゅッ!?」
その魔力は五天魔将門を全ては破壊し……周りのありとあらゆるものを破壊して見せる。
「……ちっ」
その魔力の奔流を喰らった僕はバランスを崩して地面に落ちる。
「ふむ……先程のを受けてちゃんと生き残るか。ただの人間ではないのであるな」
「……なんたることだし」
僕は笑みを引きつらせ、己の不幸を呪う。
「なんでこんなところに……」
いつの前にか僕のすぐ目の前にまで来てきた存在……邪神。
「なんで?おかしなことを聞くな。自分の周りをうろちょろとしている羽虫が入れば叩き落とそう?」
「クソッタレ」
邪神が敵の方から来るなんて予想外だぞ……ッ!
なんだよッ!その理由……ッ!凡人にとって情報収集と準備は何よりも大事なんだぞッ!適当に行ってすべてを終わらせる天才の根源たる勇者様とは違うんだよッ!僕はッ!
「ふー」
僕は一度息を大きく吐き、異空間収納より武器を取り出す。
邪神と戦う上での最低限の情報は揃っている。戦うための準備もとっくの昔に終わらせている。
大丈夫だ。勝機は十分すぎるほどにあるだろう。……間違いなく。
「ほう?抵抗するか。羽虫風情が。……なるほど。面白い。くくく。久方ぶりの戦だ。暇つぶしくらいにはなれよ?」
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