第23話

 国立カルド学園入学式。

 僕はそこに参加していた。入学生なんだから当然である。

 

 普通に考えて、受験の次の日が入学式とかトチ狂っているよな。

 受験が終わったその日の夜に伝書鳩を通じて、合格通知と無料で配布される制服を渡されるのである。


「えー。これからは誉れある我が校に入学したという意識を持ち、それに応じた行動を心がけるように……」

 

 校長先生の話が長いのは異世界も同じ。

 さっきからダラダラと、校長先生は抑揚のないつまらない話を続けていた。

 

 なんだろうか……全国、全世界、どれだけあるかわからない異世界まで含め、校長先生たちは共謀して集会時に生徒を全員ぶっ倒させる作戦でも立てているのだろうか?


「ふわぁ……」

 

 僕は大きなあくびを行い、寝ぼけ眼をこする。


「あくびせんといて。静かに」


 そんな僕に対して、隣に座っていたアレナが僕の脇腹をつついて抗議する。


「……」

 

 僕は大人しくそれに近づく。

 入学式の席順は来た順番で座っていくことになる。

 そのため、一緒に来た僕とアレナは隣の席に座っていた。


「これで私からの話は終わりです」 

 

 ようやく……本当にようやく長ったらしい先生の話が終わる。

 本当に長かった。ドン引きするくらい話が長かった。

 10分くらい一人で話していた。

 正気か?全ての動画を2倍速で見る現代っ子を舐めるなよ?そんな長い話を聞いていることなんて出来るわけないだろうが!


「ありがとうございました。続いて生徒会長による祝辞です」

 

 校長先生の次は生徒会長の話である。

 生徒会長は輝かしい金髪の美しい……すでに大人らしく、色っぽい少女。その真っ赤な瞳からは強い意思の力を感じることができる。


 なんかラノベとかって女の子の人気高いから生徒会長とか女の子のことが多いけど、男尊女卑が凄いこの中世世界で女の子が生徒会長になるのって結構凄いよな。

 どんだけ女の子が天才的なのか、どんだけ他の男の子がひどいのか。


「まずは入学した新しい生徒諸君初めまして。私は生徒会長のレアだ」


 壇上に立った生徒会長が話し始めた。

 式典潰れろ。マジで。

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