そんな顔、見せられたら…

闇野ゆかい

第1話この頃感じる違和感

私はどの女子グループにも属することなく、限られた同性の友人と高校生活を送っている。

群れる女子の恐ろしさを身に染みており、数人の友人さえ居れば良いと割り切っている。

グループの人数が多ければ多いほど煩わしさが増すことを、中学時代に思い知らされたから。

煩わしい出来事に巻き込まれるのは懲り懲りだ。二度と御免だ。


クラス内で孤立しているということも今のところはない。

あいつは、あいつだけは——クラス内で孤立しようと平然とした態度は揺るがないだろう。

孤独ヒトリになろうが、あの憎たらしい表情が崩れるのを拝めることはないだろうと思う。



***


「あぁ〜彼氏欲しいぃ〜」

「誰か紹介してくんないかなぁ」

「彼氏、ねぇー……」

友人の真依と詩穂が二人して、天井を仰ぎながらため息を吐き嘆く。

二人なら彼氏の一人や二人出来そうだけどなぁ……

「藍歌って付き合ったことある?」

「えっ私っ?まあ……ある、よ。短いけど……」

真依に訊ねられ、一呼吸おき返答した私。

「あんだ。どんな彼氏やつと?」

「いやぁ、それは……」

「なら良いや。詩穂ぉ〜放課後さー——」

真依が詩穂へと興味が移り、詩穂に話しかけ始める。


弁当箱に詰められた卵焼きを箸で摘み、口へと運び咀嚼する私。

廊下へと視線を移すと、日代秋玻ひしろあきはと目が合う。

彼が咄嗟に視線を逸らし、その場を離れて姿を消した。




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