第1話

数日前アレフテスト王国王城

よく晴れた日の王城の庭にて2人の少女がお茶を飲んでいた。そこは日除け用のガゼボと呼ばれる建物があり外壁は無く、柱と屋根だけの存在である。そんな建物の中では金髪と銀髪の美しい少女が居る。先程も言った通りにお茶を飲みお菓子を少し食べお話をするそんな平和な世界が続いていた。

金髪の少女の名前はテレスティーナ・アレフテストと言いこの国の第2王女である。そんな彼女は大人しそうな雰囲気で上品さが伺える優しい笑顔を浮かべている。言うなら綺麗と言える顔立ちをしている。

そんなテレスとは対照的にもう1人の銀髪の少女、ルジアーナ・ルベリオスは明るくその元気な笑顔からは活発そうな女の子であると感じられる。


「美味しいお茶だねテレス!」


「そうでしょ?久しぶりに良い茶葉が手に入ったの!」


嬉しそうに手のひらを合わせながら笑顔を浮か楽しそうに話している。話す内容は世間話から恋愛など幅広いことでルーナから話題を振っている。その中でも恋愛事情が多く年頃の女の子であることが伺えてしまう。

2人は普通この時間には学園に通っているのだが今が夏休みということもあってお茶会を開いていた。普通なら友達と言えど中々王城に招待することは難しいのだがルーナはテレスの父の弟つまり叔父の娘と言うことで家族関係で特別待遇になっている。そんな2人だからこそテレスやルーナといった愛称で呼び合うことが出来ている。普通の貴族ならまず愛称で呼ぶなど不敬に当たるために本人が望んでもなかなか呼べるようなものでは無い。


「そう言えば最近は物騒な話が多いよね」


「そうですね。そのような話ばかりで不安になってしまいますね」


ルーナが何気なく話したことは本当に世間話で話したようなのだがそれに対してテレスは不安そうな顔をしてお茶を眺めてしまっている。ルーナの言う物騒な話とは今王国では貴族派の人達が隣国の帝国と手を組んで王国に対する反乱を起こそうとしているという噂が学園を含め国内でそのような噂が飛び交うようになっている。

最初はただの噂だと割り切っていてもテレス自身もその話を聞いて不安になってしまい遂には父に話を聞きに行ったのだが子供の心配することではないとあっさりと追い返され取り合ってはくれなかった。

そんなことがありながら学園生活を過ごしながら学園生活を不安な気持ちで送っているといつの間にか夏休みに入っていてそんなおりに気分を晴らしたいと思ったテレスはルーナを誘いお茶会を開いたと言うわけだ。それでも結局は話題に上がってしまったのだが。


「暗い話はなしにて明るい話をしましょう?」


「そうだね!あっ!そういえば最近あの子がね〜」


テレスの話題変換は暗い顔になっていた彼女を心配したルーナが突然のことながらも対応したおかげで成功しいい気分転換になったと思われる。そんな中でルーナが話し出した恋バナに食いつくテレスであった。







数時間後

日が暮れ始め空が赤く染まり出したことでテレス達のお茶会はお開きになり夕食をとった後で2人でお風呂に入っていた。

そんな中でテレスは湯船に浸かりながら先程ルーナが話していた恋バナに着いて考えていた。


(それにしてもまさかあの子があの人とそんなことになっていたなんて知りませんでした。あの子そんな素振りも見せなかったのに)


テレス自身恋愛などの話に疎く、ルーナの話す内容はそんな彼女にはとても新鮮なものでそれを聞くことが楽しみになるほどてあった。

この城に今居るのはテレスとルーナ、そしてテレスの父に母、兄が2人だ。姉もいるそうなのだが今は他国へと嫁いて行ったらしい。夢みる乙女であるテレスはそんな姉のことを考えると自身の将来も不安になりながらも楽しみであった。

テレスの姉の嫁ぎ先は他国の皇太子でそれが当時であるために今は現国王でもあった。そんな人と結婚した姉をテレスは誇らしくも憧れていた。

彼女達は16歳で結婚適齢期で素敵な殿方を望むま夢見がちな少女たちである。政略結婚で相手を選ぶのは難しくてもそれを望むのは仕方の無いことだ。

テレスは大浴場にてそのようなことを考え、思いに浸ってしまっていた。


「あ!テレスまた胸が大きくなってる!」


「きゃっ!いきなり何するんですか!」


テレスが物思いにふけている間に後ろに回り込んだルーナがテレスの胸を揉んでしまった。いきなりで驚いたテレスは直ぐにルーナから離れると彼女は顔を赤らめ恥ずかしそうに自身の胸を抱きしめた。ルーナはイタズラ好きでたまに隙あらばこのような行為に及ぶりいつも元気で明るい裏では小悪魔な一面を持っている。


「フッフフフ」


「て、テレス落ち着いてただのイタズラだからね?」


テレスは少しずつ冷静になると今度は恥ずかしさが怒りに変換されていく。その怒りが伝わったのかルーナは少し慌てている。


(ふふふそのままもっと慌ててくれたら嬉しいのですのに)


「私は至って落ち着いていますよ。落ち着かなくては行けないのはあなたですよルーナ……」


「ご、ごめんなさーい!」


「フフ、今日という今日は許しませんよ!」


テレスはルーナのイタズラをそのまま仕返した。具体的なことはもう少しあるのだが乙女の秘密と言うことにしておく。

そんな2人の騒がしさを聞きつけたテレスの母が浴場に来て2人を叱り出した。その勢いのせいで2人は完全に恐縮している。まさに鬼の母の姿である。

怒られた後に2人はテレスの自室に向かい同じ布団に入り寝ることになった。その姿はまさに姉妹のような姿だ

ベッドに入った2人は眠気に襲われて少しずつ瞼を閉じていく。そんな中で心に抱いた不安を押し込めながらこの平和なときを願った少女がいた。




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