とある幕府物語

瑠衣君

第1話とある幕府物語 一章「裏飯茶屋取締事変」

・大宮…(一番隊隊長、荒くれ者を纏める強者だが酒癖が悪い)

・古宮…(一番隊の参謀、スイッチのオンオフがハッキリしてる基本寝坊助)

・木更津…(一番隊のお調子者、馬鹿なことしか言わず、隊を困惑させるが)

・轟… (一番隊の脳筋、猪突猛進しか頭にない)

・密偵…(どこからともなく情報を集めてくる忍び)

・狸…敵の密偵(偽名)

・狐…敵の密偵(偽名)

・ ガヤ…周りの人臨機応変に対応

・N…ナレーション



序章


ナレーション「此処は花の都、花都。天皇が治めるこの地には全国各地から武士や商人達が集まる為、些細な争いが後を絶た

なかった。それをよく思わなかった天皇は天皇直轄部隊花鳥取締組を設立した。」


一章、裏米茶屋取締にて


大宮「どうだ古宮、皆は集まったか?」

古宮「はい、集まりました」

大宮「それでは集会を始めようと思う」

…………

大宮「お前らに集まってもらったのは他でもない、裏米茶屋で反幕勢力が暗躍していると情報が入った。古宮。今回の作戦内容を頼む」

古宮「分かりました。今回の作戦についてですが、私が率いる第一部隊が屋敷の周りを囲い取り逃しを防ぐ。

準備が整いしだい大宮隊長が先陣切りそれに他ニ、三小隊は続くという流れだ。第四小隊は待機だ」

木更津「はいはーい! 古宮参謀に質問なんだけど〜俺はどうすればいい?」

古宮「お前は話聞いてなかったのか?」

木更津「いや聴いてましたって、ただ、僕が何番隊か分からなくてさー」

古宮「木更津お前は四番隊だここで大人しくしてろ、あと、私が話終わるまで口を出すな」

木更津「はい....」

古宮「素直でよろしい…コホン、四番隊は他の争いがあった時対処を頼む。以上」

大宮「古宮ありがとう」

古宮「はい」

大宮「それでは、お前ら準備は良いか! さぁ、行くぞ!」

ガヤ「おー」


N「裏米茶屋にて」

大宮「古宮、準備はどうだ?」

古宮「第一部隊配置完了しました。いつでも行けます」

大宮「分かった。只今より作戦を始める。御用改である。店主失礼するぞ!」

店主「困りますよ、大宮さん!」

大宮「いいや、うるさい!」

轟「そんな人と話してるなら先に行きますぜ!」


N「轟は階段を駆け上がり扉を蹴り開けた」


轟「お前らが悪巧みを企んでいた奴らかさっさとお縄に付きやがっれ!」

……

轟「あれっ?誰もいねぇじゃねぇか!」

大宮「轟!先走り過ぎだ! 危ねぇだろ馬鹿! …誰もいない…だが人がいた痕跡はあるな」

轟「大宮さん、これ見てくだセェよ」

大宮「どれだ?」

轟「これですぜこれ」

大宮「ふむ、これは!  誰宛かは分からないが、花都の軍事力を調べ上げた機密文章じゃないか!」

轟「そんなん調べて相手さんはどうするつもりだったんでしょうね」

大宮「分からない。とりあえず、隊長にこれは渡しておく」


N「大宮は外に待機している小宮に呼びかけた」


大宮「おおーい! 古宮こっちはハズレだ。そっちはどうだ」

古宮「…こっちには怪しい奴はやつは出てきませんでした」

大宮「逃げられたか…まぁ、今回は少ししか収穫無かったがまぁいい。撤収だ」


………

N「裏路地にてとある国の密偵が言葉を交わす」


狐「危なかったやんすね」

狸「あぁ、奴等にはちゃんとした密偵がいるようだ」

狐「俺らもそろそろ大きくは動けなくなりやしたね」

狸「まぁいい、今回ので偵察で必要な情報は大体揃ったからな」

狐「そうでやんすね」

狸「では、今回調べた情報を時守様に渡しに行きますよ」

狐「次この町に来る時はきっと火の海にしてやるでやんす」


N「情報を主君に伝える為、不気味な笑みを浮かべこの町を去っていった」


N「組屋敷にて大宮の部屋」


大宮「今回の裏飯茶屋での報告です。どこかの国が反乱を企てていると情報を掴みました。天王様に置かれましては戦を行う心構えをお願いいたします………この手紙を総隊長に」

密偵「はっ」


N「古宮は床を三回叩き大宮に合図を送った」


大宮「おおー、古宮こんな時間にどうした?」

古宮「夜遅くに申し訳ありません」

大宮「構わないぞ。どうした?」

古宮「大宮さん今回の御用改で何か情報は手に入りましたか?」

大宮「あぁ。」

古宮「それはいったいどのようなもので?」

大宮「どこかの国が反乱を企てる。そんな情報が手に入った」

古宮「…なるほど。その国とは?」

大宮「まだ国は分からない」

古宮「そうでしたか」

大宮「まあ、いつ戦になるかわからねえから準備しておけよ」

古宮「分かりました。じゃあ、組の奴らを鍛え直さないといけないですね」

大宮「程々にしておけよ。お前がやり過ぎると組員の顔から覇気がなくなるからな」

古宮「大宮さんの懸念が当たった時に、あいつらが死なないように最低限鍛えるだけですよ」

大宮「任せたぞ」

古宮「承知しました。では、私はこれで失礼します。お休みなさい」

大宮「ゆっくり休めよ」


一章完

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