文芸部あるある 高校編 (大学編に続かない)

・新入生に、部誌に最初に出すのが『タイトル:無題』が毎年一人いる。だいたい不定形詩。次回にて、やりたいこと変わったん? ってぐらいイイ散文書いて周囲を驚愕させる事多々あり。

・新入生が中二病マキシマムな稿を出してきたとき、なんともいえない空気と沈黙が流れる。でもだいたいそのまま載る。

(まあA先輩もB先輩も相当の中二だし、別にいいか……)

 とかみんな思っている。

・新入生が流行りのファンタジーラノベまんまパクリな稿を出してきたときは、かなり深刻な空気と沈黙が流れる。ホチキス本だと、ええいままよの精神で流されることもある。文化祭頒布誌だと流石にコレはマズイだろうという事になり、やんわりと修正を説得する羽目になる。部長が部長として尊敬されるほぼ唯一の場面。部活動紹介の起草はテンプレの使いまわしなので、ほぼ唯一。

・部室でひっそりと岩波文庫を読んでいる、オシャレなメガネの似合う文学美少女は、いない。いない。

・実際の部室の女子は、菓子食ってワーキャーひとしきり騒いだりマンガ読んだりした後、誰かの家とかカラオケとかアニメイトに出かけていく。

・放課後に毎日常駐しているのは、中核グループの3~4人くらい。

・男子はわりと肩身がせまめ。すぐに別宅(友人のいる別の文化部部室)へ散っていくため、あまり長く部室に居ない。

・読書感想活動会で話題が逸れだしたら、歯止めが効かない。たっぷり雑談したあと、最後の20分くらいでようやく焦り出して各々のひとことをまとめ、活動実績として提出。

・文化部系部室棟の、たいていの場所に出向する。人によるが、生徒会にも入り浸る。役員でもなんでもないが、何かのとき人手になるので黙認される。

・特に湿気とオタっ気を好み出没する。武道場や体育館周辺などでは「あっ、○○(スポーツアニメ)のアレだ」とか思いながら見ている。

・卓球部との強いコネを持つ者は、偉い。

・直射日光を長時間浴びると死ぬ。テニス野球陸上水泳あたりの部活生とあまり仲良くないのはこの体質のせい。

・美術部がガチ勢の場合、あまり突撃しない。これはイラストも描くけど、デッサンまではちょっと……あたりの劣等感が、大方の理由である。

・「あったらすげー読むけど、買ってまでは絶対読まねーよな」ってマンガが溜まってる。コンビニ版ゴルゴや、だらけてきた部分の福本作品などが最たる例。

 しかしナウシカ、アキラ、刃牙の最大トーナメント、一歩の熱かった頃など、聖遺物を置いて卒業する偉大な先輩もいる。他部活の生徒をもてなす際、非常に役立つ。

・なんらかのレトロゲーム機を所有している。映像研究部室のテレビにつなぎ、おやつをかけて対戦。敗者から、夏は箱アイス、冬はからあげくんが振舞われる。

・幽霊部員が多い。1人いたら10人いるというのが通説。数カ月活動して幽霊になり、離脱したまま卒業などはザラである。名簿は顧問の机の中にしかない。

 このため幽霊文芸部員の数はマクロ的に観測不可能で、数的にはむしろ量子力学的にふるまうのではないか、先生が名簿を開くたび結果が収束するため固有状態はないのではないかと考える部員もいる。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る