第6話 交際戦争 Part2


「「「律希(くん)は一体誰を選ぶの(んだ)!」」」


 一斉にこちらを非難する3人。

 だが、俺の意思はもとから1人に決まっている。

 俺が告白しようとしたのは楓ただひとり。

 お姉ちゃんは疑わしすぎるし、そもそも血縁関係上不可だ。

 莉乃姐さんはどっちかというと友人に近い感覚だし。

 それにずっと好きだったのは楓だし。


「誰を選ぶのって、楓に決まってるじゃないですか。俺がなんのために今日楓をここに呼んだと思ってるんですか?告白するためだったんですよ?それを邪魔してきたのはお姉ちゃんだけど、根本的な原因は莉乃姐さんですよね?何がしたいんですか?」


 その返答に、大喜びの楓と、落胆するお姉ちゃんと莉乃姐さん。


「そうか。やはり私達では楓に勝てないということか」

「そんなこと許されないよ!もうこうなったら勝負よ!」

「だから楓以外と付き合う気はないってば!」

「それを変えるのよ!絶対に振り向かせてみせるわ!」

「しずくさん、いいですよその勝負。私が勝ってあげますから。で、まずはなんの勝負からいきます?」

「それはもちろん、料理に決まってるじゃない。まずは律希の胃を掴まなきゃ、ね?」

「ほう。ならば今からやるか。食材の買い出し含め、自由。店も自由。1人一品ずつおかずを用意する、でどうだ?」

「いいわよ、それで。姉だもの、私が勝つに決まってるわ」

「いいですよ、しずくさんに莉乃さん。幼馴染の力を見せてあげますから覚悟しててくださいね?」

「では今から開始で良いな?」

「待ってください。いくつか聞きたいことがあります。まず、どういう料理を作るか、あまり細かいことは聞きませんが。だれか汁物は作るのですか?」

「「「作らない(わ)(よ)」」」

「でしたらこうしましょう。主食は白米、汁物はお味噌汁でいきましょう。ですから皆さん、それに合う料理をお願いします。そのうえで、明日同じ条件で皆さんに夕飯を振る舞います。もし僕のクオリティに勝つか、負けてもそこまで差がないのであれば合格、合格者の中から選抜でどうですか?」

「それはちょっとむずかしいと思うわよ……?」

「姉だから俺の胃袋掴めるんでしょ?なら最低限俺より明らかにクオリティが低いってのは、100%無理だよ?」


「……どうやら難しめらしいな。まあいい、全力を尽くすまでだ」

「ええ、私も皆さんより年下だからといって一切の手抜きはしませんからね?」


 こうして、幼馴染に告白した結果、幼馴染と姉と先輩の3人による戦争を引き起こしてしまったのだった。




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 諦めが悪い人ってどうなんでしょうかね?

 独占欲が半端ない人と付き合ったらお互い浮気もなく2人で一生いちゃついてそうですけど。

 ……そういう彼女がほしいなぁ


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