銀湾の首飾りは二人の心をくっつけたい!!

鳩羽桐一(はとばきりひと)

第1話 天の川は見守る

静葉は蒸し暑い曇天の中大学に来ていた、講義はなかったが自宅だと実家ゆえに家族の声が煩わしく、どうしても勉強に集中できなかったので普段から学校の図書館に頼っていた。

だが今日はそれでも集中ができていなかった。

なぜなら昨日、学校の帰り蒸し暑さから逃げるため寄ったデパートで、たまたま見つけたネックレスにずっと心を奪われているからである。

あまり人目のつかない場所に配置されていて自分以外は誰も見ていなかったあの綺麗なネックレス、頭の中はそれでいっぱいだった。

「はあ、あのネックレスとても綺麗だったなあ」

パールを沢山あしらったネックレスは、まるで夜空を流れる天の川のようだった。

自分なんかには到底似合わないであろうキラキラで素敵なネックレス。

自分ももっと素敵で可愛くて、他の同学年の子のようにオシャレだったら、、、

気付いたらスマホで『モテる 垢抜け 方法』と調べていた。

でもどれも自分からしたら元が違いすぎて参考にすらならなかった。

今までも何度か垢抜けようと家族のヘアアイロンを借りて髪の毛を巻いたり、OurTube

でみたコスメを買ってメイクをしたこともあった。

だが出来上がったのは左右非対称のキチンと巻けているかどうかもわからないヘアスタイルと、左右で形の違う眉毛と濃い朱色の頬だった。

それからと言うものの、化粧も少しは上手くなったが最低限の事しかせず、髪も寝癖を梳かすだけになった。

「もっと、可愛くなれたらなあ、、」

一方詩織も、同じネックレスに心を奪われていた。



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