第28話 陸上自衛隊本部
陸上自衛隊本部
そこには立派なビルが建っていた、もちろん入り口には自衛官が見張っている。
そこへ陸尉の後ろを付いて入っていくと、建物の中へと入りエレベーターに乗ると6階の会議室へ。
そこにはすでに数名の陸自幹部が集っていた。
「やあよく来てくれたね、私がここの指令をしている赤松一郎幕僚長です、よろしくね」
「私は加賀美洋介一等陸佐」
「同じく一等陸佐の近江兼次(おうみかねつぐ)です」
「私は2等陸佐の浅井藤次郎(あさいとうじろう)です」
「一等陸尉の井上 颯(はやて)です」
「同じく一等陸尉の緑川 優人(ゆうと)です」
楕円形状のテーブルには10席ほどの椅子とその向こう側にはモニターとその横にはクリップボードが設置されており、今回のUFOによる被害現場の写真及びUFOそれにあのロボットの写真が貼られていた。
「失礼します」
陸上自衛隊の下士官が一人ノックのあと部屋に入ってきた。
幕僚長である赤松と耳打ちしていると、幕僚長は直ぐに首を縦に振り下士官は部屋の外へ。
数秒するとまたしてもノックの音がして、扉を下士官が開けると2名ほど部屋に入ってきた。
「おはようございます航空自衛隊成田基地首都防衛隊所属、1等空佐・空峰 敦です」
「おはようございます、同じく航空自衛隊成田基地首都防衛隊所属、1等空尉・正木 容子です」
「うむ、空いてる席に座ってくれ」
楕円形の大きなテーブルに俺を合わせて9人が座りモニターとボードの横には一等陸尉の緑川優人が議題の進行役として間に立つ。
空自の担当官も参加するみたいだが、かなり事態は大事の様相を呈してきた。
「それではこれから今回起こった異星人とみられる飛行物体からの攻撃による対策会議を行ないます」
ン?何か様子がおかしいと思うのは俺だけだろうか、対策会議に、素人の高校生がいて良いものなのだろうか。
「すいません」
何故か手を上げてしまう。
「僕がこのような会議に同伴していいのでしょうか?」
俺がそう言うと幕僚長は書類を見ながら岩田陸尉が幕僚長に耳打ちする。
数秒して岩田陸尉が話し出す。
「逆に君をはずすと進まない議題ではと思いますが」
「それならば僕の話を聞いた場合、今後自衛隊としての立場をお聞かせいただけたらと思います、そうしないと何を話せばよいのかがわかりません」
「うん、そうだな 我々は過去もこれからも国を守るための組織だ、相手が何者でも守るために戦う、それは変わらない、だがそのためには情報が必要だ、アメリカのような紛争地区へ介入し戦闘する事が無い我々は、直ぐに出撃するにもあらゆる場面でその行動理由が必要だ、もし宇宙人のデータを前もって知ることが出来れば、我々はその攻撃から身を守るための準備ができる、そして今現在そのデータを一番多く持っているのはUSAなのだが、そのデータを全て知りたくても条約上知ることが出来る情報は限られている」赤松
「そこで宗助君の出番だ、さっき聞いた話では彼らの科学は4千年以上我々より進んでいるという、しかもあの宇宙船は無人だという話、この部分はまだUSAと我々しか知らない話だ、しかも先ほど伺った内容には、USAからも聞かされていない事柄が含まれている」岩田
「君にはそこから先の情報があれば教えてほしいというわけだ、それには今までの経緯それに我々が今何処まで出来るかを君に知ってもらってもかまわない、戦略上明かせない事も多いが、それでも君の話す内容に我々が期待しているのを分かって欲しい」赤松
「どうですか、率直な君の意見を聞きたい」赤松
「結論から言うと今の自衛隊ではと言うかアメリカでもやつらには勝てません」
「……言い切るのか」
「あの宇宙戦艦は先遣隊です、しかもあの規模が400艘」
「だが君はハッキングして送り返したよな」
「マザーコンピューターに進入できたのはたまたま地球の様式と似ていたためです」
「又攻めてきたときに同じ対応ではだめなのか?」空峰
「次に攻めてくるのは本隊、それは生命体だということです、コンピューターをその時点でハッキングしても、今回Uターンさせたことにより対策を練ってくるでしょう」
「だがアメリカは一つ打ち落としたのでは?」
「それは相手が機械だったからです、よく聞いてください、次に攻めてくるときはインベーダーとして生身の生体が攻めてきます、悪いことに彼ら宇宙人は全員が超能力者です、宇宙人は全員が念動力を使い地球人は無残に排除されるでしょう」
そこからは自衛隊の隊員全員が、ざわめくように同僚と話し始める。
「何か打てる手は無いのか…」
「彼らが次に攻めてくるまで1年という時間が有ります、それまでにやつらから得たデータを使い瞬間転移装置の開発をしてもらうのが一番の早道だと思います」
「な 何だと!」
「瞬間転移?」
「彼らの宇宙船は空間座標転移装置を使い一瞬で移動してきたんです、だから去るときも同じように一瞬で消え去ったんです」
さらに会議室はざわめく。
「そのデータは?」
「ここです」
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