第26話 USAの情報
USAの情報
近づいて行くと黒服は5・6人、他は迷彩服を着た自衛隊と見られる隊員達、その先へ目をやると調べていたのはその先にある倒壊した我が家。
「ああ近づかないで」
「そこ家なんだけど」
「え?」
「容疑者発見、確保します」
「おい、なんだ こら放せ!」
「うちのこどもに何するんです!」
「乱暴なことをするなら許しませんよ!」
「まて!何してる!」
そこに自衛隊の上官らしき人物が騒ぎを聞きつけ駆け寄る。
「何してる!離せ!」
俺を捕まえていたのは黒服、しかも外国人らしいが。
そこに自衛隊の隊員が待ったを掛ける。
そこからは、長い話になって行った。
そもそもどうしてこうなったのか?
話は2日前に遡る、インベーダー達の戦艦を1機打ち落としたUSAの空軍は墜落した巨大戦艦を調べる、当然のことながら一番の調査対象は宇宙船のマザーコンピューター。
確かに機械は地球製ではないが、同じような発展を遂げた文明は殆どの様式が同じだったりする。
電波や思考はそれほど変わらないということ、コンピューターもそれほどの違いは無い、だからこそリリーさんは敵戦艦の司令塔であるマザーコンピューターの乗っ取りに成功したわけなのだが。
当然のことながらその足跡が残っていたりするのは、調べれば分かる事。
コンピューターの履歴、特に命令をする場所にリリーさんが入力したログデータが残されていたらしい。
そしてその発信元を辿るとこの町に落着いたという、さらに履歴を調べて電波の周波数とその痕跡を調査したらしい、USAの科学力も馬鹿にならない。
そして調べ上げたところ倒壊した家の近くで数回同じ波長の電波を捉える事が出来たらしい。
USAはそこが宇宙人の先遣隊だとでも思ったのだろう、その場所にいる人間の確保をUSAが求めそれに外務省が従い間に入り、今回自衛隊の了解の下共同で捜索に来たということらしい。
結果としておれは容疑者扱いと言う話なのだが。
「それで君達家族は被害者なんだよね」
「あのさ家壊されるのわかってて敵を誘導する馬鹿はいないでしょ」
「だよな、確かに」
「それであの黒服って?」
「USAのエージェントって事だけしか教えられないんだよ」
「あ~アメリカの秘密主義か…」
「で これからどうするの?」
「一応君からはもっと詳しく話を聞かないといけないんだが、付き合ってくれるかな?」
「その場合何か良い事あんの?」
「ん~」
【宗助様】
【なんだいリリー?】
【少し嘘になりますが能力を教えてもよろしいかと、例えばハッキングの能力だけを教えて納得させるとかはどうでしょう?】
【そうだなそうしないと納得しないかもな】
「おじさん、階級は?」
「自分は一等陸尉だよ、いわゆるデスクワークが多くなる位なんだけどね」
「じゃあキャリア組みだね」
「よく知ってるね」
「だって英語も話せないといけないんでしょ」
「その通りだからこういうときだけ呼び出されるんだよ」
「あのさ話があるんだけど」
「話しって?」
そこからは少し能力の事を明かす事にした、家にあった父のパソコンを利用して敵の宇宙船をハッキングし撤退命令を出した事。
そのせいで家を狙われた事、さらに宇宙船の内部データを少し盗んだ事。
「それ本当かい?」
「嘘だと思う?」
「本当だとしたら黒服には任せられないな~」
そう言いながら陸尉は黒服をみて黙り込む。
今いるのは家から少し離れた自衛隊の軽装甲車の後ろの席、そして陸尉は助手席から振り向くような形で俺と話している。
母や妹は別の自衛隊員が対応しており、どうやらこの状況が終らない限り洋服の発掘はさせてもらえないらしい。
「はい そうです、見つけました、それでですね」
陸尉は無線でなにやら上のえらいさんと話し込んでいる、その間運転席の部下はじっと前を向いて黙っている。
「はい はい ではそうします」
どうやら話は終わったようだ。
「結論からでいいよ」
俺がそう言うとビックリしたような顔をして陸尉は話し出す。
「いい知らせと悪い知らせがあるけど、どっちから聞く?」
「おじさん分かっているから全部話していいよ、連れて来いって事だよね」
「その通り」
「でもさその前にしなくちゃいけないことがあるんだけど」
「しなくちゃいけないことって?」
「俺達壊れた家に洋服探しに来たんだよね、昨日も探したんだけどまだ足りないんだよ、一応被災者なんだよね」
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