第24話 反撃の前に
反撃の前に
いつもは少しあまるはずのご飯もそして鍋のカレーも、今回は全て食べつくされた。
その後俺は後片付けを手伝っている、後片付けといっても殆ど水で軽く流し食洗機に入れるだけで良いので。
前の家にいたときより楽なのだが。
【それでそうちゃん何時反撃に行くの?】
【え~どうして?】
【だってあっちから来られたら被害が又大きくなるでしょ】
この母はやっぱり自分の親なのだと感じた、敵は仕返しに来るそれは変わらない、だが何時来るかといえばそれは俺にもわからない。
だがそれが分からない以上、やつらより先にこちらから先手を取らなければ今回以上の被害が出る事は必至。
ならば今日明日にでもこちらから反撃に行くしかないという結論になる。
だがそれには一度転送装置の試験をしないといけない、転送装置はどうやら座標空間移動式のようなので、今の状態では相手の星の座標や緯度経度は入力が済んでいる形、後は惑星リズのどこに移動すればよいのかと言う事だけ。
どうやら惑星リズは地球の2倍はあるようで気温が地球より若干高いのが心配なところ。
陸地と海が半々、大気は殆ど地球と同じで伝染病や細菌の類もこれといって無いようだが、データでは放射能の数値がやや高いと出ている、それに地上は廃棄されていると言う。
もし有害な物質があるのならば、帰ってきたら直ぐに殺菌消毒はしないといけない。
もしも小さな異生物や植物の種でも持ち込もうものなら、後でどんな事件が起こらないとも限らない。
【リリー、後はどんな注意が必要か分かるか?】
【宗助様、向こうの科学力では、移動は全て空中を移動するのが主流のようです、乗り物は全自動ですが車と言う概念では無く椅子と言う形ですね】
要するに車体など必要が無く椅子に腰掛ければ行きたい場所まで瞬時に移動できるらしい。
そして伝達方法は全て念話、それと共に言葉は殆ど話さないということ。
【娯楽は無いみたいだね】
【向こうの人間は単純に生体機械と言うような形ですね】
生きている生身の体だがその制御や命令系統は機械化され、コンピューターによる命令に全て従うという形を取っている。
だからマザーコンピューターを見つけ設定を変えてしまえばやつらがこちらへ攻める理由も無くなってしまうと言う事。
【じゃあやつらの星で一番人の居ない場所で安全性の高いところをピックアップしてくれ】
【かしこまりました】
数分後5つの場所が映像で表示された。
【ひとつ目は海辺ですね】
【二つ目は郊外です】
【三つ目も郊外です】
【4つ目は島ですね】
【5つ目は洞窟でしょうか】
結果として転移場所として指定されたのは郊外か海辺、惑星リズはどう考えても自然と言うものがすでに失われていて。
容赦なく開発開拓をしてきた末期的な星の様相を呈していた。
【この映像、だいぶ前の地球に似てるね】
【一部は砂漠化してますので、ほぼ地球も放っておくとこうなりますね】
そう地球の今はSDZsとかサスティナブルとかが進み化石燃料の使用もかなり抑えられている。
まあ地球の場合これだけの人口が全て富を有し、それを実行するならば地球に明日は無くなるのは目に見えている。
今でも一部の国は自分達のわがままを押し通そうとしているのだから。
【宗助様、ニュースをご覧ください】
それはアメリカの国防総省からの発表だった。
【わが国は先日のUFOからの攻撃が地球侵略の始まりだとここに発表する、今後侵略者に対して反撃するべくわが軍の中にUFO(インベーダー)対策司令部を設立し専門に対処するべく行動する】
この話は少し俺をもやっとさせた、さすがUSAではあるが彼らは1機あの葉巻型のUFOを撃墜したらしい。
元々攻撃機を数千機も所有しインベーダーがらみの映画をいくつもヒットさせてきた国だ。
確かUFOがいるという話も100年以上前からUSAにはあったと聞く。
そして墜落した宇宙船のコンピューターを解析したらしい。
この日はおなかいっぱいになった事もあり家族全員が予定より早く就寝した。
スマホには水曜日に全校集会を行なうとメールが着ており、学校のホームページには参加の可否をチェックするページが盛り込まれていた。
俺はすかさず参加にチェックする、そして目を閉じると数日の疲れからか直ぐに寝入ってしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます