第15話 体育館へ

体育館へ


見ると入り口は開け放たれ中にはすでに数人の避難者がそこに見えていた。

学校は壊されずに済んだ様子、体育館の中には10人前後の被災者が呆然としていた。


「こちらに毛布とお水がありますからどうぞ」


母と妹を空いている場所へ座らせて、配給を取りに行く。


「ええと3人ですね」

「はい」

「お母様ですよね大丈夫ですか?」

「はい一応今のところは」

「病院の方は?」

「病院は今満員で、あそこにいても診てもらうのにかなり時間がかかると思ってここに来たんです」

「あ~そうでしたか」

「はい」


毛布2枚と水のペットボトルそして非常持ち出し用の食料を人数分貰い戻ってくると2人の体に毛布を掛けてやる。


「おにいどうするの?」

「おれは一度家に戻る、もしかしたら父さんが来るかもしれないし」

「悪いわね」

「そんな事無いよ、それに毛布も着るものも足りないでしょ」

「あ ほんとだ、着替えがないや」

「そう言うこと、汚れてない服を少し探してくるから、待っていて」


そう言うと俺は小学校の体育館を後にした、この小学校から俺の家までは歩いて10分ぐらい。

その道筋は細いのであのロボットによる破壊の対象にならなかったようだ。

よく見ると広い通り沿いやその突き当たりなどそして最初にロボットが降り立った場所が壊された跡として多く残っていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る