なんか、もう死にたいですー『二次創作』

栄養剤りぽべたん

1話

 「先輩。どうしても伝えたい話があります。」


 以前送った『なんか、もう死にたいです。』という一文より10倍は緊張しながらケータイの画面を見ている。

 メールはまだ未送信状態、ただ

 「先輩、どうしても伝えたい話があります。」

という文字とメールの作成画面だけが暗闇でうずくまっている私を照らしている。


 実際に送るつもりはない。先輩の性癖もわかっているし、私はストライク外。

気持ちを打ち明けたところで絶対結ばれることもないし、今の関係性が変わるのが怖い。


 以前、連れて行かれたカフェが脳裏によぎる。

私は苦いものが苦手なのに、つい先輩がおいしいらしいというので合わせてエスプレッソを飲んで

 うえっとなりながらもお冷を飲みながら飲み干したのを思い出す。

-…あの記憶は一生の宝ものになるだろう。-


 何も聞かず、ただ一緒に居てくれただけな、幸せな一時を思い出す。


 サークルでは他にも人がいる。あの時だけは先輩を独り占めできていたのだ。

それで満足するべきだろう。ただ、ほんの少し強欲な私が顔を出す。


-送っちゃえよ、私。先輩を独り占めする時間をもっと、もっと-


 電源ボタンを二回押す。私は強欲な私に勝つ。

以前は捨てたが、また買ってしまったJPSのボックスからタバコを取り出す。


 取り出す手も火をつける手も震えている。私はなんて事を考えていたのだろう。

以前先輩に送った


 『なんか、もう死にたいです。』


 そのメールを見ながら、部屋の明かりをつけ、飲みもしないコーヒーを淹れ、あの時のただ先輩と一緒に過ごした一時を香りと共に思い出しながら私は横になるのだった。

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なんか、もう死にたいですー『二次創作』 栄養剤りぽべたん @ripobetan

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