第13話 裏切りと命令
回復属性最上級魔術【エクスヒール】!
脈は…!?ある
…良かった、生きてる
「おい!アリス!起きろ!どうしたんだ!?」
「え…?師匠?何で私なんか…」
えぇ!?普通目の前で人が自傷したら回復くらいするだろ!?それにさぁ…
「お前は(元とはいえ)たった一人弟子のなんだから助けるに決まってるだろ?」
「うぁ…うぅ…師匠、ごめんなさいぃ…」
何故謝るんだ!?お前は被害者だろ!?
クッソ!許さねぇぞカグア!
お前の馬鹿みたいな行動のせいでこんなに苦しんでる子が居るんだぞ!全部お前のせいだ!
「お、落ち着け、お前が謝る必要は無い、悪いのは全てカグアなんだ、だから謝るなアリス」
「私は師匠を裏切りました、だから生きてる必要なんてないのに…」
そんなこと無いよ!?
確かに裏切りは悪い事だけど今回は色々しょうがなかったし、それに死ぬまでしなくて良いから!
「流石にそこまではしなくても良いんじゃ…」
「いえ!師匠を裏切るというのは重大な罪です!」
「でも今回は操られてたんだろ?しょうがないってだからそこまで…」
「いえ!私は師匠を裏切ったのです!そんなクズは死ぬべきです!」
「いや死んだら元も子もないじゃん!お願いだから生きててくれよ!」
「で、でも…生きてたら目障りじゃありませんか?こんな裏切り者」
クソぉ!話を聞いてるとは思えねぇな!
まるで意見がブレねぇ!
全力で死のうとするな!
頼むから生きてくれよアリス!
「…じゃあ俺の言うことを何でも一つ聞いてくれ」
「…!はい!一つと言わず永遠に奴隷にしてくれるくらいでも良いのに…なんて優しい!」
永遠に奴隷!?それは死より酷くないかなぁ!?
でもこれでアリスを思い止まらせる事が出来た!
でも何をしよう、別にアリスを罰したい訳でもないしなぁ…
ちゃんと命令で、酷すぎず、なおかつ俺にもメリットがある命令か…そんな都合の良い命令ある?
「それで、私は何をすれば良いのでしょうか!」
「えーっと…」
クッソどうしよう、全く思いつかない
一体どうしたら…だれか教えて下さい…
「師匠、私はどんな命令でも受け入れますからね!」
そういやしれっと師匠呼びに戻ってるし…ここらで訂正しておくか?…師匠、師匠…?
そうだ!師匠!師匠に会いに行くのにアリスも連れて行こう!これこそ完璧な命令だ!
「セイル師匠が籠もった山…テュポン山脈に付いてきて…そして師匠探索に付き合ってもらう!」
フッフッフッ…自分の為にもなりアリスも思い止まらせる事が出来る!完璧な作戦だぁ…
「あっ…で、ですよね…」
「あ、あれ?アリス?どうした?何で急に泣きそうになるんだ?ど、どうしてなんだぁ!?」
うわぁ!完璧な作戦だと思ったのに!
何でアリスが泣くんだ!?命令されれば満足なんだろ!?これで良いじゃん!
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