第11話 愚かな魔女と魔術師

「カグア、あの痛みをもう一度ど受けたく無いなら降参しな」

「こ、降参だ、降参する!」


よし、降参させた、俺の有用性もアピールできた

これでもう思い残す事はない


パーティー、抜けよう


あー、久々にスッとするわ

本当に、一人で天災級まで使える用になったし稀代の天才として王宮に召抱えられたりしないかぁ…


「それで?決闘で勝って何が望みなんだ!?」


なんでキレてんだよコイツ

折角のパーティー台無しにされた俺がキレたいわ


「望み、望みかぁ…じゃあ俺がパーティーから抜ける事で、もう彼処に居てもなにも無いしね」


もうあのパーティーには俺が恋した人も、尊敬する師匠も、愛した弟子も居ないんだ、彼処に残る意味は無い


はぁ〜あ、俺の見つけた才能と、俺の愛した人達は皆居なくなっちまったよ


マジで、こんな無能パーティーに入れなきゃ良かったよ、俺と、リーナとセイルとアリスのパーティーでダンジョンを攻略する


それだけで良かったのになぁ…


ーーー


あれからカグアは勇者とは呼ばれなくなった

恐らく今までの武勇伝が嘘だとバレたんだろう


それとカグアのハーレムパーティが消えた


なんでかは分からん

でもカグアのハーレムパーティーは一夜にして消滅した、それだけは事実だ


それとリーナさんは出家してセイルさんは山籠り

アリスは研究室から出てこなくなったらしい


…なんで?

いや、これもカグアハーレム崩壊と何か関係があるのかもな、何の関係かは分からんが


とりあえずアリスは研究室に引き籠もってるだけだし何があったか位聞いてみても良いかもな


…ロクでも無い理由じゃ無いと良いんだけどなぁ


ーーー


「なぁ、アリス、何でお前は引き籠もってるんだ?教えてくれよ」

「…師匠、私を怒らないんですね」


なんで?

確かにお前はあれから少々愚鈍になったが別にそれを怒るなんて事はしないぞ?


「いや、お前はちょっと恋で盲目になってたんだよ別にいちいち目くじらを立てる事じゃない」

「…そうですか」


にしてもなぁ、この感じ、もしかしてアリスは…

いや、俺はもうそれを無理矢理辞めさせる立場には居ない、ただ単に忠告に留めておこう


「アリス、もし嫌なことがあって、現実逃避の為に強くなろうしてるのなら辞めておけ、虚しいぞ」

「…!師匠は、なんでもお見通しですね」


…ま、俺も通った道だそれくらいわかるさ

それに…元弟子だからな


「俺もそうだったから簡単に分かるだけだ、それと俺はもう師匠じゃない、レアと呼べ」

「…そうですか、師匠…レア先輩、今までありがとうございました」


この調子じゃ失恋でもしたか?

でもハーレムは全員こうだしな、一体何が…

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