最強の魔術師は寝取られ気質である
龍百
第1話 魔術師と天使
俺は幸運だった、まず俺は魔力を持って産まれてきた、これだけで十分幸運だが、俺は産まれてくる家庭も良かった
何故なら魔力持ちへの支援金を本当に俺のためだけに使ってくれたから
更に俺には魔術の才能があった
幸運、幸運、幸運
どれか一つでも欠けていたら今頃俺はこの冒険者学園には居なかったかもしれないそれ程運が良かった
だから俺は努力を怠らなかった
今までの幸運に、助けられた人たちに報いるために俺は努力した
その甲斐あって扱える属性は一つ、二つと増えていき扱える魔術の規模も初級から中級、中級から上級へと大きくなって行った
教師やクラスメイトは俺のことを天才と呼んだ
…そして俺はクラスから孤立した
まぁ言ってしまえば嫉妬だ、俺が天才と呼ばれているのが気に入らなかったのだろう
更に俺が数少ない平民上がりの魔術師だと言うこともクラスからの孤立に拍車をかけた
ある日、授業でパーティーを組むことになった
これからの授業は基本パーティー単位で行うそうだ
嫌われている俺に声をかけてくれるクラスメイトなんて居なかった、一人を除いて
俺に声をかけてくれた子の名前はフィネス・リーナ
俺は彼女を天使と呼んでいた
リーナは回復魔術師で扱える回復魔術の規模は中級程度だが非常に魔力が多く優秀だった
俺達は回復魔術師と魔術師だけというアンバランスなパーティーだったが中々俺達の相性は悪く無かった
リーナは無口だが寂しがりやで勉強する時は必ず俺を勉強に誘って来る
今日もいつものように勉強のお誘いだ
場所もいつもどおりの図書室
いつもは無言でお互いの勉強をしているだけなのだが、今日は違った
リーナが俺に話し掛けて来たのだ
「ねぇ、私に話しかけないのは…私が嫌いなの?」
俺は驚いた、そりゃあもう驚いた、どの位驚いたかと言うと椅子から転げ落ちる位驚いた
「い、いや、別に嫌っている訳では…」
椅子から転げ落ちた後に必死で声を絞り出した
…まぁこれまで殆ど話さなかったのは単に俺が人見知りだからというだけだ
「…そう、なら勉強、教え合わない?」
それはなんだかホッとした様な声色で、俺はこの子への印象が変わった
今までは現実味のない天使のような人だと思っていた、でも…そこに居たのは俺と同じ人見知りの女の子だった
それから俺はリーナに話しかけた、それはそれは話しかけまくった
ウザい位に話しかけた
だって彼女は俺が話しかけると嬉しそうに応えてくれるから、彼女は話しかけるのが苦手だろうから
だから俺は話しかけ続けた
彼女には笑って欲しかったから
それが俺にできる恩返しだと思ったから
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