第8話 俺は一途なんです

二年後・・・



『カウント!1!2!・・・・・9!10!決めたぁ!今新合気道高校生チャンピオンが決まりました!激戦を勝ち抜き勝者となったのはー!金剛当真選手ぅー!』


「よっしゃ!ありがとうございました!」


「金剛さん!空手と合気道、二つの武道を極めた感想はいかがでしょうか?」


「この瞬間が一番自分が強くなったことを実感できるのでとても嬉しいです!これで約束も守れそうです」


「誰かと勝利の約束でもしたんですか?」


「勝利のではないですが昔約束したことがあってそのために今も日々精進しています」


「なるほど・・・これはリポートではなく私個人の質問ですが約束した人は女性ですか?」


「え、えーっと・・・はい、結構特殊な子でその子のために鍛えてます。会わなくなって二年は経ちましたけど」


「ありがとうございます。これからも頑張ってください!以上金剛さんの勝利インタビューでした!」


「ありがとうございました!」


ーーーーーーー


俺は高校二年生になり新たな環境にも適応・・・できずにいた。

と言うのも祈と再会したらまたボディーガードをするという約束のために交友時間も捨てて毎日特訓、練習、筋トレと努力の日々を送っていたからまともな友達と言える存在が一人もいないのだ。

いいよ友達とか、隼人いるし、俺は一途なんだよ。


ん?クラスメイトの女子がこっちにくる、嫌な予感


「俺になにか用か?」


「こ、金剛くん、放課後この教室に来てくれますか?大事なお話が」


やっぱ告白かー、断るの心痛むんだよ


「ごめんなさい俺には好きな人がいるんです」


「断るのはや!そんなあっさり振られても実感ないです!」


「でも事実だし」


「金剛くん、断り方全部それって聞きますけど本当にそんな人いるんですか?」


「いるよ。関わったのは二週間だけだけど、約束もしてるから他の人とは付き合えないしあいつ以外と付き合う気はない」


「一途ですね・・・わかりました。ありがとうございます」


「ごめんな、次告るならこんな変なやつじゃなくてまともなやつの方がいいぞ」


「それ振った人のセリフじゃないです・・・」


ーーーーーーー


「隼人、祈に会いたい。なんとかして」


「俺はドラえもんか」


「もうそろそろ女子から刺されそうで怖いんだよ」


「お前顔いいし強いし優良物件だもんな。そりゃ狙う奴は増えるさ」


「でも毎回同じ断り方してたら色々言われるんだよなー、ほんとのこと言ってるだけなのに」


「もう恋愛に興味ないっていえば解決するんじゃないか?」


「それ言ったら嘘になる」


「一人除いて嘘じゃねえから安心しろって。めんどくせえな」


「昔から思いを変えない一途なやつと言ってくれ」


「世間ではいつまでも引きずってるダメなやつって認識だけどなそれ」


「やめろよ現実は見てねえんだ泣いちまうぞ」


「終礼始めるぞー座れお前らー」


「このことはまた話そうぜ」


「そうだな、んじゃ」


「おう」


それにしてもあれから二年も経つのか、大丈夫なのかな?てか生きてるのか?それすら怪しいな、あの体質じゃ普通に生活することの方が難しいだろうに。


「明日は珍しい予定があるから期待しといていいぞ」


お、なんか授業で面白いことでもやるのかな


「転校生イベントだ」


おおー転校生か。一回は夢見るよな、可愛い美少女が転校してきてなんやかんや付き合うみたいな時間を過ごしたいって。俺は祈しか見てないからそんなのになるわけないんだけどw

自分一途です。浮気とかするわけないです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る