近郊の森8
ソレがやってきた時に思わずエイミーを見てしまう。
エイミーも気づいたようで驚きの表情と少しの焦りが浮かんでいる。
近くに何者かが接近しても私の気配察知なら二十メートルは自動的に察知できる。この能力のお陰で生き残れたと言って良い。
エイミーは私以上に有効範囲が広い。百メートル近くというとんでもない範囲だ。
私達に察知されずに五メートル程の目の前に現れる事なんてできない。
そう思っていた。
目の前にソレが現れるまでは。
やっぱりそうだった。視ていた時に飛翔系のスキルを持っているのは知っていた。
私達の察知は平面的な範囲は広いけど空の上からだと殆ど真上しか察知できない。でも、それを知っている人は少ない。
と、いうかストロングウィルのメンバーですら詳しくは知らない。
それを知っているという事はそういう事だ。
スキルに対しての知識があり且つ、それを実行できる能力がある者だ。
いずれにしても目の前に存在しているのだから疑いようもないものね。
私は勿論、エイミーも油断はしていなかった。油断は死につながる。あり得ないもの。
ソレはふわりとギルマスの目の前に降り立つ。
何らかの脅威を感じたのかギルマスの動きは素早かった。
瞬間移動したんじゃないかという速度でいつの間にか私達の元に移動している。
何があったか分からない。
私達は警戒を解かずギルマスを庇う形で前にでる。
背後のギルマスの気配を探る。
ありゃま、ゼイゼイいってますよ。それ以外で身体的に異常はなさそうだわ。
ギルマスはもう限界かもしれない。
となると・・・非常に不味いのではないかい?
ソレは確実にクレイグより強い。
対人であれ、対魔物でも、とにかく最強に近い相手だ。
勿論私とエイミーじゃ太刀打ちできない。
戦う事を考えちゃいけない相手。
ソレが来るのは予想していたけど、いきなり接近される事は想定外も想定外。
やっば~い。
どうするとばかりエイミーをちらりと見ると。
・・・同じ考えみたい。
ど、どうする?
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