仮面をつけた冒険者達

@omotiumee

第1話 始まり

「生き残っている”物達”は、今牢屋にいます。」

とある男が言った。

「そうか。じゃぁ0-3と1-6を連れてこい。」

今度は偉そうな男が答えた。

ここは合法的な奴隷売買所の地下にある、非合法な秘密の実験施設。

先程偉そうに答えた男がここの持ち主だ。

ところ変わって、ここは先程の男達が話していた牢屋。

牢屋の中には4人のモルモットがいた。

1人目は”0-3”と呼ばれている、この中で最も体躯の大きな男の子だ。大人ほど大きくはないが、それでもやはり同年代と比べると大きな方だろう。

2人目は”0-5”と呼ばれている、彼はこの中で最も思いやりのある子だ。みんな生き残るのに必死な中、彼がお互い協力して生き残ろうと言ってくれなかったらもう全員死んでいただろう。

3人目は”1-6”と呼ばれている、彼女は中性的な顔立ちでこの中で1番整った容姿をしている。

皆特徴があるが、今はそんなこと彼女らにとってはどうでもいいことだろう。なぜなら、彼女らは、酷い境遇にいるからだ。生き長らえる程度の食事しか与えられず痩せこけ、日々の実験のせいで、目は虚ろに。無駄な体力の浪費を避けるため普段は牢屋の壁にもたれかかり、喋りもせず、瞬きしかしない。

「生きたい。」という純粋な思いの下、最低な境遇に耐えているのだ。

そして、この牢屋には、もう1人モルモットがいる。

この中で最も幼く、昨日来たばかりの彼女は”1-7”と呼ばれていた。

彼女は、残りの3人にとって光のような子だった。なぜなら、彼女はよく笑い、話しかけてくれるからだ。無邪気なその姿が3人を勇気づけてくれた。皆の瞳に光が戻ったのは、彼女のおかげだろう。

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