家族と仕事 出来なかった約束
生きていると、必ず家族の存在が関わってくるものだ。
昼
母から。
「病気なれど、死ぬことを選ばないで欲しい。死ぬ時は立ち止まって家族を思い出して欲しい。約束して欲しい。」
泣きながら、悲しい顔で、真っ直ぐな目で。
自分はわかったとは言わなかった。うんとはいえなかった。頭の中でその状態になった時を思い出していた。
「お願い。約束して。ね。親にとって子は、自分が死んでもいいくらい大切なの。だから」
それでも、うんとはいえなかった。それより、死にたいと感じたあの時、そして仕事をしていた頃を思い出してしまった。自分も職場の子たちに愛をもって接していた。その子たちのためなら死んでもいいと思っていた。それゆえ、悔しい、辛い思いでここにいる。母の想いと自分の思っていたことが重なって………唐突に涙がとまらなくなってしまった。
約束は守れない。守る自信が無い。ただ、今後は大切な愛すべき人に心配をかけないように過ごしたい。
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