#7

アメジア国悪魔協会

今日もいつもどおりの日常があった。イビルアイは内部を確認している

副代表でだいたい指示してるのはイビルアイである。だがジャバウォックもたまに良いこと言ったりするが…

ふと、廊下にいたイビルアイは中庭を見た。この悪魔協会は中庭の存在があり総本山とは違う風景が見られる

そもそもイビルアイは総本山からのスカウトを蹴った話であるから総本山のことはよくわからない

この中庭には様々な花がある、悪魔協会のイメージとは違う華やかさがある中庭にであった

イビルアイが見ると中庭にジャバウォックの姿があった。またサボりか?そう思ったイビルアイは中庭へと行く

中庭に着いた。イビルアイはそこにいるジャバウォックに話しかける

イビルアイ「ジャバウォック…?」

そう言うとジャバウォックはイビルアイの顔を見る

ジャバウォック「ああ、イビルアイか。見てよ。花がたくさんあるいい中庭だと思わないかい?」

イビルアイはそんなことよりも仕事はどうしたのかと思った

イビルアイ「…仕事はどうしたの?」

ジャバウォック「サボりじゃないよ?終わったから中庭に来たんだ」

なんだそうなら最初からそう言ってほしい

イビルアイ「…中庭を見るのが好きなのね…?」

ジャバウォック「そうだよ。でも…アークデーモンのいる総本山のほうが規模が全然違うんだよね。

総本山は裏庭に畑があってそこで色々な野菜を栽培している。全部アークデーモンの趣味だけど凄い農場らしいから」

そう言うとジャバウォックは空を見上げていた。我が盟友アークデーモン。今は何をしてるのだろう

イビルアイ「…私は、総本山のスカウトを断ったから…写真でしかわからないわね…」

ジャバウォック「イビルアイ。断って正解だよ。あっちの環境はともかくイビルアイがいなくなったら私だけじゃ無理だった。

家族のこと、この悪魔協会のことを思って残ってくれたことは私は今でも感謝しきれないから!」

イビルアイ「…そう?そう言ってもらえたら、私は嬉しいと思うわ…」

イビルアイがそう言うとジャバウォックは笑顔になる。本当のことだ

ジャバウォック「ねえ。たまにはイビルアイの娘と旦那を見たいな」

イビルアイ「…あら。うちに来る?」

ジャバウォック「うん!行きたい!」

無表情なのは相変わらずだが、どこか嬉しそうな言葉を言うイビルアイ

イビルアイ「…わかったわ。じゃあ、仕事を終えてから向かいましょう…」

ジャバウォック「そうしようかな!じゃあ、仕事をさっさと終えようね!」

そう言うと2人は悪魔協会の内部へと戻っていった


アルカナ大学の昼過ぎ

昼過ぎでも講義は当然ある。教室内で教授が来るのを待つ学生。そこにファリアとジェストがいた

ジェストはスマホを確認しながら待っていた

ジェスト「うーん?遅いわねえ」

ファリア「教授のこと?」

ジェスト「違うわ。バードンのことよ。彼女もこの講義を履修してるから来るはずだけど」

ジェストはスマホと腕時計を確認して言う

ファリア「なんかしてるの彼女?」

ジェスト「何かをするわけじゃないけどねー」

そう言うと教授が教室に入った

教授「はい。それじゃあ始めます」

ファリア「あ、あら?バードン遅刻確定じゃない」

ジェスト「何やってるのあの子…」

2人がそう言うと教室内のドアがガラッと開く!

バードン「セーフ!ギリギリなセーフ!」

大声で言うもんだから教室内にいる学生全員がバードンを見た

教授「はいはい。まだ講義してないから座りなさい」

バードン「あ、助かります!」

そう言うとバードンはジェストの隣に座った

バードン「いやー間に合った」

ジェスト「あんた何してたのよ」

バードン「ちょっとサークル内の掃除をね。ゴミが溜まってたから捨ててきたよ」

ファリア「そんなの始まったらでいいじゃない」

バードン「いやいや!いつでもキレイにしておかないとね!」

そう言うと話を聞いていた教授は怒りながら言う

教授「こら!遅刻ギリギリな上に早速私語ですか!マイナス点付けますよ!」

バードン「ごめんなさい」

そのごめんなさいも全然反省してなさそうな口調だった

ファリア(その場しのぎの謝罪過ぎるわ)

ジェスト(そこはアンデッドね)

バードンはフリーダムアンデッドであった


だいたいの講義が終わった時間

5人全員が集まりまたいつもどおりにサークル室へと向かおうとしていた

その校舎の階段を昇る。そもそもエレベーターというのは無いため基本的に階段である

古い校舎だがエレベーターを付ける予定も無い。足に怪我してる人にはきつそうな階段だ

別に5人は足に何かあるわけではないので4階まで上がるのは特別苦労はしない

そんな楽しみなサークルに向かおうとする5人

ファリア「…そういえば先輩たちまだ来ないわね」

セレネ「うーん。まだ講義でしょうか?」

バードン「そうだ。先輩たちの連絡手段も持ったほうがよかったね」

美治「どうせ来るだろ。後でそうしようぜ」

ジェスト「私たちはすぐに集まるけど先輩たちはすぐには集まらないわね」

ファリア「まあ学科が違う。のでしょうね」

すると上がる階段の後ろから声が飛ぶ

アルマ「おーい!バードンたち!」

カナ子「来たわよ~」

5人は後ろを振り返ると先輩たちが来ていた

バードン「先輩たち!よかったここで会えるなんて!」

美治「お疲れ様先輩たち」

アルマとカナ子はまたお菓子と飲み物を買ってきてくれたのかビニール袋を持っていた

アルマ「間に合った!さあ行こうか」

ファリア「はい。でもいつもアルマ先輩とカナ子先輩は同時に来ますね?」

ファリアが言うと2人は顔を見合わせてちょっと経って答える

アルマ「いやあ。サークルのために買うコンビニでいつも会うんだよ」

カナ子「そうよ~。アルマと偶然会うこと多いからそうなるのよ」

ジェスト「そうなんですか。それならちょうど会えますね」

そう言うと5人は再び階段を上がる。しかしアルマとカナ子は小声で言う

アルマ「…本当はさ、喫煙所で必須的に会うからなんだよね」

カナ子「そうなのよね。彼女たちにあまり喫煙のことは言いたくないし…」

アルマもカナ子も実は講義が終わると必ず喫煙所へ向かうタバコを吸っている

偶然ではなく必ず。である。タバコを吸ってるのをあまり後輩には悟られたくはなかった2人だった


7人はサークル室に入り座る。6人はソファーだがカナ子は相変わらず用意された椅子に座る

前から言われているがカナ子は椅子にこだわりの無い人物なのでなんでもいいらしい

サークル室にあるテーブルにお菓子と飲み物が用意された。いつも用意してくれるのでバードンは言う

バードン「先輩、たまには私たちでも用意するので…」

アルマ「え?別にいいんだよ?」

バードン「でもいつも用意してくれるのは…。はら、先輩たちのお金がありますから」

カナ子「あら。そんなこといいのよ?」

アルマ「そうだよ。先輩の好意ってことでありがたくいただいてくれると幸いだからさ」

バードン「いつもすいませんありがとうございます」

7人は飲み物を紙コップに注ぎいつもどおりに乾杯をする。そして会話のスタートである

バードン「さあ。今日は何話そうか」

そう言うと早速アルマが話題提供をする

アルマ「君たちさ。ハーフなのはわかるけど、移民?」

バードン「私は移民らしいけどね。祖先からたどると」

美治「おう、私も移民だぞ」

セレネ「実は私も移民なんです」

ファリア「アタシは移民じゃないけど」

ジェスト「私も移民じゃないわ」

カナ子「なんだかバラバラね!?」

アルマ「この国は移民で成り立ってるっていう変わった国でもあるから…一応聞いてみただけだよ」

バードン「移民だからって言って別にどうなる。ってわけじゃないよー」

美治「まあそのとおりだな」

アルマ「みんな遠い祖先の移民だろ?」

バードン「そうですねえ」

カナ子「はいはい私はこの代から移民したわよ」

ジェスト「カナ子先輩はそうでしたか」

カナ子「ユキノウエの暮らしも悪くなかったけど、移民してるわ。姉がユキノウエに残って獣医師してるわよ」

移民…アメジア国はそれが多かったりする。あまり問題にはなっていない

移民するかしないかはその家族の判断だ。特に4つの国は移民する家族が多いとのことだ

ファリア「でもその国に行くと新しい発見ができて楽しそうね」

アルマ「アメジア国じゃないけどサフィーラはなかなか良いって話を聞くよ」

美治「出たサフィーラ。水が美味しい国」

セレネ「水の国ですから。首都は川がたくさん流れていてしかもキレイらしいです」

ジェスト「そう言えばそのサフィーラ、極端な暑い寒いが無い国らしいね」

セレネ「そうです。春夏秋冬快適な温度に保たれる国です。実際そこに行く種族も多いようです」

カナ子「で、ネレイドとインセクターがいるって国ね」

アルマ「完璧と…えーとインセクターは…」

セレネ「ネレイドは完璧種族と言って何やらしてもこなすという種族です。インセクターはひょろ長い種族です」

ファリア「インセクターの場合子供のときから既に身長が長いっていう種族よね」

セレネ「そのとおりです。インセクターのだいたいが高校生から180センチ超えている種族です」

そう言うとカナ子は自分の体を確認する

カナ子「よし!勝ってるにゃ!」

美治「そう言えばカナ子先輩って身長何センチですか?」

カナ子「私181センチ!インセクターに勝った!」

カナ子はガッツポーズをする

セレネ「2メートル超えのインセクターも珍しくはないようですよ?」

カナ子「ま、負けた…」

がっくりするカナ子

セレネ「あっ!でもそれは男性のほうです。女性は180センチぐらいらしいですよ」

カナ子「よし勝ったにゃ!」

アルマ「喜んだり悲しんだり面白いねカナ子…」

だがカナ子は縦にも横にもでかいのである意味安産型。なのかも

そう言えばハーフアニマルで身長ばでかいというのは珍しい。とは思ったセレネだった

勝った気分になったカナ子は片手を丸めて毛づくろいみたいな動作をした

ファリアは見てたがやっぱり猫なんだなあ~。と思った。もしも犬ならどうなってたんだろうか?

ファリア「先輩のお姉さんって同じく身長がでかいんですか?」

カナ子「ええ!でかいわよ!178センチあるわ。でも私のほうが勝ってるにゃ!」

バードン「妹のほうが強い。これは姉妹における法則…」

美治「バードン。お前それゲームの設定を思い出しただけだよな」

バードン「な、なんでわかったの!」

美治「そんな法則知らんぞ」

カナ子「まあまあ。でも頭と性格の良さはお姉ちゃんのほうが上よ。だからこそ私だってお姉ちゃんと同じ職業に就きたいと思うわ」

アルマ「頑張ってくれよカナ子」

カナ子「言われなくとも頑張るわ~!」

バードン「いいなあ将来の夢できてる人は…」

カナ子「大学から将来の夢作るのは遅くないわよ?」

そう言うとまた毛づくろいの動作をするカナ子

セレネ「私は…図書館の人か本屋の店員さんになりたいですね」

ファリア「セレネにぴったりね!」

バードン「思い切って私、支援会社に就職しようかなー。アンデッドだし」

美治「支援会社ってなんだよ」

美治が言うと代わりにアルマが説明する

アルマ「協会関連の支援だよ。謎に近い会社なんだけど、簡単に言うと協会にお金を渡してる会社なんだ」

美治「へえ、そんな会社があるんですか」

アルマ「まあ謎だけどね。10年前は4つの国にしか無かったけど最近はほぼ全世界にある会社さ。大手企業だよ」

ファリア「全世界にあるってだけで超が付く大手企業ですよね」

アルマ「そうそう。やってることは基本的に事務と営業などと言ったやつだよ」

バードン「う…どっちも苦手だな」

美治「苦手とか言うなよその会社に勤めたいんだろ」

ファリア「アタシはその会社知ってるけどどちらの協会も平等に支援してるから好きになれるのよね」

セレネ「私協会はあまり行ったことないです。支援会社は初めて聞きました」

カナ子「私もそうよ?」

ジェスト「まあ、知らない人はまず全く知らない。っていう協会だからね。知らないのは仕方ないとは思うわ」

アルマ「僕も意識するまでは知らなかったよ?」

バードンはふと、窓を見た。おや、暗くなってきた。そろそろ終わりにするか

バードン「みんな。そろそろ終わりにしよう。暗くなったよ」

アルマ「OK、じゃあバードンまとめてくれ」

バードン「んーと。天使協会と悪魔協会は大切!ってことで」

美治「そんなまとめかたでいいのかよ…」

よくわからないまとめかただ…


帰り道。7人はそれぞれの帰路へと向かう

ファリアとセレネは一緒の帰路に。手を繋いで歩く

セレネ「なんだか7人になってから会話が凄い面白くなりましたね」

ファリアは思った。それは同感だ

ファリア「でもどのサークルにも必ずいる顧問っていないのかしら…」

セレネ「そうですね。確かに会ったことありません」

そう。顧問に一度も会ったことがない。いるのか?実はいないのか?バードンに聞けばわかるかもしれない

ファリア「うーん。でもいつか会いそうな予感はするけど…」

セレネ「でも楽しんでやる分にはいてもいなくても変わりないとは思いますけどね」

ファリア「うふふ。そうね」

2人は手を繋いで再び歩いた


アルマが自宅へと戻った。ドアを開けて母と父に帰宅を言う

アルマ「ただいまー。ママー」

そう言うとリビングのドアからイビルアイがひょこっと顔を出す

イビルアイ「…おかえりアルマ。…今日ね、ジャバウォックがいるのよ…」

そう言われるとアルマは嬉しそうな顔をする

アルマ「え!ジャバウォックさんいるの!」

玄関から靴を脱ぎ、リビングへと向かうアルマ。すると父とジャバウォックがいた

アルマ「ジャバウォックさーん!」

リビングにいたジャバウォックはテーブルの椅子から立ちアルマに近寄る

ジャバウォック「おー!アルマちゃん!元気そうだね!」

アルマ「僕はいつだって元気だよ!嬉しいなあ来てくれるなんて!」

2人は嬉しそうに挨拶をする

ジャバウォック「君がまだ赤ちゃんだったとき、私がおもちゃ使って遊んだからね…今でもしっかり覚えているよ」

アルマ「僕もそれは覚えてるよ!」

父「ははは!ジャバウォックさんたまに力加減間違えて泣かせてたときあったな!」

ジャバウォック「いやいやお父さん!私はまだ若輩者だったからそうなっただけで!」

イビルアイ「…特にブロック積みしたとき…、アルマの方向に倒したときは…困ったわね…」

アルマ「あれ。そんなことあったっけ」

ジャバウォック「イビルアイー!そんなこと今思い出さないで!」

父「まあいいやジャバウォックさん、今から飲もう!」

そう言うとジャバウォックは椅子に再び座った。父はビール瓶を開けてジャバウォックが持ってるグラスに注ぐ

ジャバウォック「いやーありがとう!やっぱり君とは相性合うよ!」

父「相性合うって言ってくれてありがとな!」

2人は飲んでるとイビルアイが言う

イビルアイ「…2人とも、飲みすぎないようにね…」

ジャバウォック「大丈夫だよ!お酒強いから私!」

なんだか宴会気分だ。そんな2人を横目にイビルアイはアルマに言う

イビルアイ「…夕飯はまだ時間かかるから…アルマは部屋にいていいわよ…」

アルマ「うん!ママ!」

そう言うとアルマは部屋へと戻った

父とジャバウォックの飲み合いは今から始まったようなものだ


アメジア国

涼しい気候でワイワイできる環境だった



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