日常唄[にちじょううた]

あまける三下さんしたは始終そうしているのです

まあそれは見物みものという評判が貧血に倒れ

色見本いろみほんがほんのりとほおを赤らめているので

さも不吉な序の口が出回る運びとあいなる

えっちらおっちらと執拗しつように取りかれながら

朝帰りの何処どこともなしに後ろ髪ひかれて夢現ゆめうつつ

夜桜にはどこ吹く風ねと薄ら笑みたたえつつ

死にかけの猫に蹴りいれる当て推量ずいりょう噛みしだ

訳もなく生まれた畜生ちくしょうめがと手を打ち鳴らし

拍手喝采はくしゅかっさいを前頭葉の片隅にかんじながら

小脳の根方ねがたで絵空事などをそらんじまして

ふと風流にさそわれ梅の木で首を吊る私

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