みえない年月

後年こうねん腐肉ふにくうじがわく

もう一度あの夏に触れたいのなら

思い出の土葬どそうをむしかえそう


みえないメスにさかれるように

はち切れつづける死後の肌

おりしも日陰ひかげとキミがまざりあう


室温でとりこむ腐臭ふしゅうのふの字

磯部いそべくるうのはえたほころ

指でかきだす生きのびた肌


そばから逃げだす青嵐せいらんを求め

板挟いたばさみのセクションに浮かされては

はだかぼう意思疎通いしそつうこころみる


絵葉書えはがきに植物されて

虫けらに動物されて

役割に人間されて

ボクはひとりで生きられようか

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