おかえり。あそぼうよ。

倉沢トモエ

おかえり。あそぼうよ。

「おかえり」


 アパートの二階にある家に帰ると、このあいだしっぽがふたつに分かれて、化けねこになった三毛ねこのタマが出迎えてくれた。


 それはいいのだけど、からだが大きくなっている。げん関口がそれですっかりうずまっているので、おどろいた。


「これじゃ家に入れないよ」

「びっくりした?」


 ぼくがおどろいたので、満足そうだ。


「ねえねえ。

 なんだか、大きくなったり、小さくなったり、できるみたいだよ」


 人間の言葉が話せるようになったのも、ほかの姿に化けることができるようになったのも、今日発見したこの特技も、どれもお気に入りのようだ。


「あそぼうよ」


 そう言ってタマはぼくの背中をランドセルごとひょい、と、つまみあげ、すとん、と、抱き上げた。


 みんなにいいことを教える。

 化けねこに抱き上げられると、ふかふかする。

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