おかえり。あそぼうよ。
倉沢トモエ
おかえり。あそぼうよ。
1
「おかえり」
アパートの二階にある家に帰ると、このあいだしっぽがふたつに分かれて、化けねこになった三毛ねこのタマが出迎えてくれた。
それはいいのだけど、からだが大きくなっている。げん関口がそれですっかりうずまっているので、おどろいた。
「これじゃ家に入れないよ」
「びっくりした?」
ぼくがおどろいたので、満足そうだ。
「ねえねえ。
なんだか、大きくなったり、小さくなったり、できるみたいだよ」
人間の言葉が話せるようになったのも、ほかの姿に化けることができるようになったのも、今日発見したこの特技も、どれもお気に入りのようだ。
「あそぼうよ」
そう言ってタマはぼくの背中をランドセルごとひょい、と、つまみあげ、すとん、と、抱き上げた。
みんなにいいことを教える。
化けねこに抱き上げられると、ふかふかする。
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