第8話 狂った村
「俺は、そんな事をしていたのか? それはどのくらい前からなんだ…ゴメン…教えてくれないか」
「かなり前からだな」
「ですが、本当に女として許せないと思ったのは、この街の前の村ですわ」
「見ていた僕も痛ましくて…涙が出てきたよ…旦那と息子の前で母親を犯し…父親や他の村の人がいる場所で若い子を犯したんだから」
「そうか…ゴメンちょっと出かけてくる…」
そこ迄していたのか…リヒトの馬鹿野郎っ…
「だが、それは」
「もう終わった事ですわ」
「そうそう…もう話が」
だが俺の気が済まない…
俺は三人に背を向けレストランを後にした。
◆◆◆
馬を調達して来てしまった。
トナル村…俺が来た所で困るだけだろう。
あんな残酷な事をした人間なんて顔も見たくないだろうな…
だけど、俺は償わないとならない…
やったのは俺ではない…だが…
俺は村に入った。
もし、石をぶつけられようが怒らない。
罵詈雑言は覚悟の上だ…
「勇者様…また来られたのですか?」
老人が俺の所に来た…多分この人が村長なのかも知れない。
周りには沢山の人間が集まってきた。
「ああっ、済まない事をしたと思う…謝って」
「あれはボタンのかけ間違いです、気にする事は必要ないですじゃ…もし女を抱きたいなら、今度は儂の家を使って下さいな…流石に外は破廉恥ですぞ」
可笑しい…凄く可笑しい…
「あっ、勇者様…その節は私を使って下さってありがとうございます」
「はぁ…」
なんだ…
「あの良かったら今日もお相手させて下さい…私知らなかったんです…勇者様も本当に口下手なんですから…経産婦ですけどまだ捨てたもんじゃなかったでしょう? 今からします?」
何だ…これ全く解らない。
「今日は止めませんし、泣きませんから…どうぞ妻を使ってやって下さい…なんなら3日間位、いえ1週間でも1か月でも貸しましょうか?」
「そんな…貴方は何とも思わないんですか」
「はい、勇者様ですから」
「あの…この前は取り乱してごめんなさい、是非ママを使ってあげて下さい」
「勇者様、ママを妊娠させて…勇者様とママの子の弟欲しいな」
何を言っているのか解らない…
「ああっ、やはり草臥れ女より私の娘の方が良いでしょう? 勇者様、そんなババアより、若くて可愛い私の娘にしましょう…娘も喜びます」
俺は…もしかして変な世界に転移でもしたのか?
「勇者様、この前は嫌々したり泣きながらしてごめんなさい…今日は張り切ってしますから…私としましょうね…」
多分、この二人が話の流れからしてリヒトが犯した女に違いない。
土下座をしに来たのだが…何が起きたんだ。
「ちょっと、二人はもう経験したんだから、此処は他の人に譲る物よ…リヒト様、お話がありますの? お話しながら、そのままね…」
「ルカちゃんズルい…私だって勇者様としたいもん」
「私だって」
「村長、これは…」
「この村には8歳から34歳まで居ますぞ…さぁ勇者様、好きな子と楽しんで下さい…頑張れるなら全部で32名全部いっちゃいますか?」
駄目だ…本当に解らない…
俺は狂ってしまったのか…
少なくとも…雰囲気からして嫌われていなくて償う必要もなさそうだ…
「急用を思い出した」
「そうですか…残念です、また何時でもお越し下さい」
「はぁ…解った」
本当に訳が解らない。
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