異世界アイドル成長奇譚〜あいろま〜
七篠愛
おはよう、異世界
その日は
ユーザーが待ち望んでいたイベントは関東某都市で行われた。アプリ開始から幾年。発表された際には友人であるコーチン軍曹ー
「いや〜リリース当初はどんな酷いアプリかと思ったけど、勧めてくれた友人には感謝しないとね〜。」
「ほんっとにそうだね。」
優美の言葉に深く頷く。数度目かに乗った電車の発車アナウンスは友人との楽しいおしゃべりの前にはBGMでしかない。
「でも、過去ストーリー追加発表は驚いたよね!」
「わかる〜!でもこれで本編でメインヒーローが憧れたさあの人がわかる訳でしょ?」
ああでもないこうでもないとストーリーの予測を立てる中で祐希はふと瞼が重たくなってくるのを感じた。
「眠そうだね〜?起こしてあげるから寝てていいよ。」
友人の優しい一言を最後に祐希のまぶたの帳は完全に落ちた。
それから・・・・・・目を覚ましても完全に視界は遮断されていたのだ。
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