第9話 何故過去形?

 ある日のこと。


 ピンポーンピンポーン


 家のチャイムが鳴って、二階にいた私は、「はーい」と返事してから、ちょっともたついて玄関に出たら、玄関の外に人影。

 あれ? 返事したの聞こえなかったか?と思い、「どうぞ〜」と。


 ……因みに、

 田舎の家の玄関は鍵をかけません。この辺の人は、ピンポン鳴らすなり、玄関ドアの内側にいるので、最初びっくりしましたが、慣れました。それでも業者の人は玄関の外か、ドア開けて待ってますね。(因みに、お寺は勝手に上がり込んで仏間まで行きます。何様?)

 ……踏まえてお読みください。


 で、ドアが開くと、

「郵便局でした〜」

 と。あ、ごめん、一回中に入ったけど、降りてくるのが遅かったから、帰ろうとしてたのね。そう思い、

「あ〜、ごめんなさいね〜、降りてくるの遅くて」

「いえいえ、全然大丈夫ですよ〜」

 という会話がありました。



 その後、気付いたのですが、郵便屋さんは、何故か過去形でやってくる。

「郵便局〜」

 そこ、何故過去形?びっくりするかもしれないから?「驚かせましたか? ごめんなさいね、郵便局でした〜」??そんなわけはなかろう。



 これは、電話のやり取りでも聞こえてきます。

「お晩でした〜」

 そもそも「こんばんは」じゃないのね、そこ。っていうか、何故過去形?



 不思議に思って、夫に聞いたらば、それは「丁寧形」だそうで。

「です」より「でした」の方が丁寧なんだそうです。


 知らなくて聞いたら、「へっ?」と思いますよね?



 あと、丁寧な言い回しなんだかどうなんだか、今でもわかりかねているのが、「それは口語体なのかい?」って表現。


「今、○○にいるんだけれども、迎えにきてもらえるかい?」

 とか言います。

「いるんだ

 何故、そんなに丁寧な言い回しなの?


 夫に聞いたら、

「ん? 別に普通に使うよ? 『いるんだけど』と同じ意味だよ。」

 と言います。

 

 たまに使ってみます。

「〜でした」

 は、使えない。どの動詞に使うのが適切なのかわからないので。……動詞? 名詞か。「郵便局でした〜」だもんな。

「緋雪でした〜」

 なんか、ラジオパーソナリティしてないですか? 大丈夫ですか?

 んー。やはりこちらは使えそうにありません。


 「〜だけれども、」を使ってみましょう。

「あ、もしもし、今、イオンにいるんだけれども、迎えにきてくれる?」

 どうでしょう? ……使いづらい(泣)。



 道民特有の「丁寧語」を使いかねている緋雪さんなのでした。

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