異世界に転生したら、婚約破棄されたわがまま姫魔女の従者になってしまいました。でも何だか俺の前でだけ、えらく可愛いんだが。

澁澤 初飴

近道(10話毎のまとめ)

近道1(ネタバレあり)1話〜10話まとめ 

登場人物紹介


主人公


 黒野くろの貴史郎きしろう…異世界に来てしまったらしい背だけは高い三十才男性。クロノ



魔女の塔


 セーラレイン・フロストライゼル…魔女の塔の主人である姫。サリー、姫様


 ヨスコッティ・フローレンス…衛兵代わりの女性剣士。ヨッちゃん、ヨスコさん


 ヴァイオレット・スプリング…姫の教育係、実は塔の中では最強。ヴィオ、ヴィオさん



他の人物


 トマ…全てに通じた宮廷魔道士。トマ師、トマ先生


 マリベラ…元、魔女の塔の住人、姫の一番の理解者である侍女。ベラ



あらすじ


 ビールの飲めない俺、黒野貴史郎は、飲めない酒を飲まされて電柱で戻しているうちに記憶が途切れ、気が付いたら白髪の裸の女性が立ち尽くす風呂場の浴槽(水風呂)に浸かっていた。


 悲鳴と共に投げ付けられた陶器製のボトル(多分シャンプーかトリートメント)で再び気を失い、また目を覚ました俺は、髭の老人にここは男子禁制の魔女の塔であることを聞く。


 処分を言い渡されるため、塔の住人で女性剣士、緑の衣をまとい黒髪をおさげにしたヨスコッティに引き立てられて応接の間に出向くと、そこにいたのは同じく塔の住人、セミロングの黒髪、青いロングワンピースを着たヴァイオレット、そして彼女らの主であり魔女の塔の主人である白髪、黒衣の姫、セーラレインだった。


 塔に侵入した男性は処刑されるのが常だったらしい。姫は当然俺を処刑(おそらく死ぬ奴)するつもりだったようだが、姫の父である王様が姫の婚約破棄の原因はあまりに男性に不慣れであったためと断じ、俺は姫を男に慣れさせるため侍従として仕えることになった。


 俺はさっきの老人、トマ師に揃えてもらった黒衣に着替えた。そして世界の説明を聞くうちに、ヨーロッパ辺りかなと思っていたここが異世界であるらしいことに気付いていく。


 トマ師は俺が魔女の塔の住人になるにあたり、俺に誓いをたてさせた。

 俺の命を、姫に捧げる。

 元の世界に配偶者や子供はもちろん、恋人もない俺は、この世界で求められるならそれもいいとそれを了承した。


 塔ではまず給仕などをすることになった。エレベーターなど元いた世界と文化が似ていることに胸を撫で下ろすも、3階から始まる塔の階数の呼称に戸惑ったりしながら、俺は塔の住人と関わりを深めていく。


 姫であるセーラレインは常にはサリーと愛称で呼ばれていた。

 堅苦しいことが嫌いな面倒くさがり屋の面もありつつ、一度心を許した者には侍女であっても過剰な友情を示す姫は、おそらく侍女が原因で婚約を破棄される目に遭ったらしい。しかし彼女はまだその侍女、マリベラのことがまだ好きで、現在離れてしまったことをひどく悲しみ、さびしがっていた。


 俺の住むことになったのはそのマリベラのいなくなったあとの部屋で、サリーは俺が住むことにひどく抵抗を示し、ヨッちゃん、ヴィオとケンカしてしまう。


 本当は自分が悪いことがわかっているサリーは、今まで同じ空間にいることすら拒否していた俺に、特別に愛称のサリーで呼ぶことを許可するから伴をするように(謝りに行きたいからついてきて)と大威張りで命じ、俺は苦笑しながら了承した。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る