チューリップ

陸上部のなみちゃん。吹奏楽部のようちゃん。弓道部のあやかちゃん。みんな可愛い。そしてみんな私のタイプ。


みんなに告白する勇気もない。そもそも友達になる勇気もない。そして近づくには無縁の美術部の私。いやになる。


「まみ?なに浮かない顔してるの?なんかあった?もしかして恋とか?」


幼なじみのなつみだ。なつみには興味無いんだよなぁ。と思いつつ、なぜ恋とわかったのかも怖すぎる。


「ううん。なんも考えてないよ。」

なんて嘘をついた。すると、なんだかほっとした顔をして。


「そっかぁ。あのさ、言いにくいんだけど…今日、チューリップの公園に寄らない?よく、小学校の頃遊んでた。まみに伝えたいことがあってさ。」


少し顔を赤らめて言う顔は、私が初めて見た顔だった。

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