くーくまのショートとショートショート集

くーくま

第1話 はなさんかじいさんには何かが足りない

むかしむかしある所にじいさんとばあさんがおりました。

じいさんとばあさんはそれはもう仲良く暮らしておりました。

そう、仲良く暮らしておりました。

おり、ました。


ある日じいさんは街を歩いていると枯れた木を見つけました。

周りを見ると他の木は花をつけ見た目も美しくその木だけが寂しく見えました。

その木を見てじいさんはこう言いました。


「枯れ木に花を咲かせましょう」


そう思いじいさんはもっていた灰を懐から出して枯れ木にかかるように盛大に振りまきました。

灰が宙を舞う中、一陣の風が吹きました。

すると灰は風に流され、一人の若い女性にかかってしまいました。

じいさんはその女性に謝り、じいさんは女性に精一杯の謝罪としてお茶に誘う事にしました。

するとその女性はじいさんの魅力の虜になってメロメロになり熱烈アタックをしたのです。


そうして若い女性とじいさんが仲良くしている所に、じいさんは何をやっているのかと様子を見に来たばあさんがその光景を見てびっくり仰天しました。

さあ、ばあさんに見つかったじいさん。アワアワ言いながら言い訳を考えながら震えていると、有無を言わせずばあさんから一言。


「じいさんの人生に花咲かせてどうすんだ!」


ばあさんは怒りのあまり、じいさんをアッパーカットで宙に舞わせ、その勢いで若い女性に掴みかかろうとしましたが、落ちて来たじいさんが必死に止めました。


「はなさんかじいさん!そいつ殺せない!」


「儂が悪かったから!せめてその子は助けてやってくれ!」

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