読書録。
月猫
『星を掬う』
はじめに。
本を読んでも、すぐに内容を忘れてしまう月猫です。
みなさんは、どうですか?
「面白かった」
「泣いた」
「つまらなかった」
こんな感想だけは覚えているのに、あらすじとか「すっとーん」と忘れてしまうので、「どんな内容だったの?」と聞かれても、「うんとぉ、あ~、あれれ」と、しどろもどろ。
これではいかん!
何とかしようと思い、記録しておくことにしました。
ここに書いておけば、誰かに本を紹介するときに役に立つかもしれない。
本の内容が脳みその中の底の底に沈んでしまっても、読み直すことで『忘れた本を掬う』ことができるかもしれない。
ということで、本日の記録。
読み終えた本は、町田そのこさんの『星を掬う』です。
いやはや、初っ端から話が重い!
二宮金次郎が、背中に背負う薪の重量より重い。(どんな例えや!)
話が重い理由は、これ。
不幸な女たちが集まっているから。
そして、町田さんの心の闇を突く表現力が、凄いからなのです。
千鶴。
母に捨てられ、父が病で倒れ、その後祖母も亡くなった。好きになって結婚した男は、DV男。離婚しても、執拗に追いかけて来てる。そして、殴る蹴るの暴力を加えお金を持って行く。
千鶴は、相手を殺すか自分が死ぬしかないというところまで追い詰められていた。
自分の不幸は、私を捨てた母のせいと、とにかく母を恨んでいる。
恵真(えま)。
超絶美人。
幼い時に両親が亡くなり、親戚の家で暮らす。あまりのも可愛いので、その家の子が焼きもちをやいてしまい、意地悪される。自分の子を庇うため、恵真はお風呂にも入れてもらえず、同じ服を何日も着せられていた。
『臭い・汚い子』でいる恵真に事情を聞いた担任は、自宅に連れて行きお風呂に入れる。そして、恵真の体を丹念に洗うという行為を……
その後も、恵真は美しさゆえに同性からは嫉妬され、異性からは襲われそうになるという人生。
男性恐怖症ではあるが、腐ることなく真っすぐに生きる女性。
彩子。
彩子は、かつて娘に捨てられた母である。
家事や育児を義母に任せていたら、自分の居場所が無くなった。気が付けば、娘にこんな母はいらないと思われていたのである。
しかし突然、彩子の前に娘が現われた。17歳で妊娠している。相手の男がいなくなり、父(再婚している)の所へは戻れない。彩子は、娘を引き取り面倒を見ることにした。
聖子。
千鶴の母。
千鶴と再会したとき52歳、若年性の認知症を発症していた。
娘の千鶴と別れた後、必死に生きてきた。多くの人から愛されている。
服装が派手で、なんだか可愛い感じがするキャラ。「ババァ出没注意」と背中に大きく書かれたワンピースを着ているあたり、なかなかのセンスである。
最初は、千鶴の話から始まるのですが、最後まで読めるかなぁと思いました。
辛すぎるんですもん、話が……
でもね、途中でやめたら、もやもやするじゃないですか。
千鶴さんは、どうなったんだろう?って。
結局、最後まで読みました。
町田さんの作品は、最後はホッとできるので読んでいて安心なのですが、でも心をぐわっとエグられる感じがします。
例えば、母に愛を求める千鶴の想い。
私が梅ちゃん(私の母の仮名)に求める想いとも重なり、千鶴が吐き出す毒は、私が持っている毒そのものだったり。
介護の場面では綺麗ごとじゃすまされない
読んでいて辛いものがありました。
町田さんの作品は、他にも『52ヘルツのクジラたち』と『うつくしが丘の不幸の家』を読みましたが、私が好きなのは『52ヘルツのクジラたち』です。
えっ? どんな話って?
あっ、それは、ほれ……しどろもどろ。
こちらも不幸を纏った女が、母親に虐待されていた少年と出会って成長する物語です。
説明がざっくりすぎなのは、読んでから時間が経過しているからです、ハイ。
以上、月猫の読書録でした。
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