タコがない?

たこ焼きを食べたい。最近たこ焼きを食べていない。ああ、たこ焼きに恋しいな。誰かに直接に話すことなく、いつも心の中で食べたいな食べたいなと何度も呟いている。


晩御飯の材料を買いに行くためにスーパーマーケットに向かった。何を作るかまだ思いついていなかった。ノープランでスーパーマーケットに行き、今日の晩御飯は何にしようかと色々な食材を眺めながら考えた。


たまたま惣菜コーナーに行くと、たこ焼きがあった。パックの中にまんまるで上に鰹節とソース、紅しょうが、最も強調されているのはマヨネーズが乗せていた。


僕はマヨネーズはあんまり好まないが、お好み焼きやたこ焼きの場合は特別だ。他の食べ物にはあんまり合わない。好まないのは、匂いだ。落ち着いたような匂いではなく、ツンッとくるように強烈な匂いがしている。だから好まない。でも、お好み焼きやたこ焼きにマヨネーズを乗せても、不思議けれどマヨネーズの匂いがしなくて、マヨネーズなしより2倍美味しくなった。でも流石にお好み焼きやたこ焼きが見えないくらいたっぷりにかけるのはちょっと。。。


おっとと話を逸らしてしまった。さて、話を戻すぞ。久しぶりにたこ焼きを見たので、食べたいなと思ってたこ焼きを手にした。


無事に買い物を終了して、家へ帰った。家へ帰る間にお腹がぎゅーぎゅーっと握り潰されて、胃液が口から出そうな気がして気持ち悪い。ぎゅーっと握りつぶされたのは、空腹度がオーバーしていると警告を鳴らしているんだ。早く家に到着してくれと何度も願った。


ようやく家に到着してすぐに買ったたこ焼きを取り出して、パックを開けた。ん?変な匂いがふんわりと漂ってきた。ウッとなりそうになった。多分気のせいだと思って、気にしないことをした。


たこ焼きについている爪楊枝を拾って、たこ焼きを刺して開いた口に放った。あれ?タコがない?でもタコの味がしたけど?タコがないのにどうしてタコの味がする?と頭の上に疑問符が浮かんだ。完食した。爪楊枝を空っぽになったパックに置いた。


・・・あんまり美味しくなかった。変な匂いというより胸がムカムカになるような匂いがして不快な気分になった・・・。なんでタコが入っていないのか。もしかしたらタコを入れるのを忘れていたかな。


色々なことを思い浮かべながら開いたパックをゆっくり閉じたら記載に目が留めた。何が入っているかなと思って確認した。当たり前のように添加物が入っているのは知っている。他に何が入っているかな。目が左から右へ移動して、左下に移動して再び右へ移動した。あれ?タコは書いていない?え?本当?目をゴシゴシして、本当にないのかもう一度見直した。何度も繰り返して見てもタコを描いていなかった・・・


手を目のところに当てて、なるほどと思って笑った。タコの味がしたのは、本物のタコではなく、タコの味がするように何かの添加物を加えたかもしれない。


今の技術だと簡単に人を騙せるように味を作ることができる。僕はまんまに騙された。本物の味とそっくりに作れる技術は知っているが、食べたい欲が強すぎてまんまに引っ掛けられた。


引っ掛けられた自分が情けなくて笑った。いやあ本当にそっくりな味を再現できるのはすごいなあ。もしかしたらたこ焼きだけなく、他の惣菜なども本物ではない食材を使って作っているかもしれない。


いやぁ怖いなぁ。次からは何の材料を使って作っているのかわからなくて怖くて買わなくなるかもしれない。


はぁ。。。次からは自分で作るか又は屋台で作ったたこ焼きを食べるしかないな。本当に嫌な思い出になりそう。


でも良い経験になったと思う。次からは引っ掛けられないように気をつけながら購入しよう。

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