極楽の椅子

3.14

極楽の椅子

「極楽の椅子って知ってるか…?」

俺は、その椅子に座るためにさまざまなことをやった…。

その椅子は、普通の人には座れない特別な『椅子』だ。

もちろん俺は、本物のその椅子を見たことは、ない。だからこそ見て、それに座ってみたい。

しかし、『極楽の椅子』という情報だけで座った感じは、どうなのか、とか本当に気分が良くなるのか。

全くそのような情報は、ないのだ。

しかし、俺は、どうしたらその椅子に座れるかだけは、知っていた。

そして、その『椅子』が何処にあるのかも。

だから俺は、まずその椅子があるところまで向かった。

勿論、簡単にその場所へ行けるわけでは、ない。

いくつもの試練を乗り越えてその場所、その境地へと達することができるのだ。


でも勝負は、ここからだ。


その場所へ行けたとしてもまたその場所から離れてしまっては、『椅子』に座れない。

どうやら椅子には、座れないようなナニかがあるようだ。

でもそれらをも打ち消してこそ、

【真の『椅子』に座れる者】ではないか。

こうして俺は、頑張って一度失敗しても、周りに止められても何度も俺は、立ち向かった。


『極楽の椅子』に座るために。


そして…とうとう…


その日が来た。


俺は、『極楽の椅子』に座れるようだ…。


やっとだ…、


俺は…、その『極楽の椅子』に座った。


その瞬間、俺の体に電撃が流れ…


俺は、極楽へ…行けたのだろうか…。



題名『電気椅子』







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