第92話 愛央の親戚

志保編 第64話 愛央の居ない理由より


私は今、法事で親戚の家に来ています。

隣の県だったから朝からの移動で悠馬と会えなかったのがなぁ〜・・・。


「確かステイルで時間つぶしてるって言ってたっけ。」


清華先輩も確か今日は一日都合がつかなくて私は、この通りでだから・・・おばさんが気を効かせていたら二人っきりかな?


「志保さんがんばれっ。」


私はボソッと口に出して親友にエールを送る。

セレモニーホールから帰ってきて従姉妹宅で一休みしてから帰るって事になったから来てはいるんだけど・・・。


「ねぇ、何このグッズ。悠馬にこんなグッズあったっけ?」


「様を付けなさいよ!ってそれは兎も角、自作よ!応援しやすいからね!!」


何か目眩と頭痛してきた・・・、まさか売ったりしてないよね?


「ちょっとあんたまさか売ったりしてないわよね?」


「するわけないでしょ!私達は民度の高いファンなのよ!!」


お姉ちゃんの問いにこの従姉妹は何を胸を張って堂々と言ってるのやら・・・。


「まぁ、個人的に楽しむだけなら悠馬も怒らないと思うけどさぁ〜。」


「それもそうね。」


「ちょっと待った二人共、なにそれ?何でYouMa様を良く知ってるみたいな反応なのよ!」


あっ・・・どうしようーマズったかも?


「知ってるわよそりゃ、私は担当看護師だったもの、入院してた時。愛央はそもそもにして・・・ヒギィ?!」


あっぶな、やばい!っと思って身構えてて良かった・・・思いっきり太もも抓る事になったけど話そうとするのが悪い!


「急に何?!変な声あげて!愛央には何かあんの?」


「私はほら!同級生だからさー、それなりに知ってるよ。様付けで呼ばれるのをあまり良く思ってなかったりだから学校の子達は君とか呼び捨てとかが多いかなー。」


呼び捨てはって副音声は付くけど嘘は言ってない!


「そいや、愛央って清蘭だったっけ。それじゃそれじゃ普段のYouMa様の事を知ってるの?!どんな感じ?!やっぱり優しいの?!ねぇねぇねぇねぇ!!」


ひぃ・・・怖いよこの人!ハイライト無くなってんだけど?!


「落ち着いてってば!クラスも違うからそこまでじゃ無いけど分かるのは話すからー!」


そこからは怒涛の質問の嵐だった・・・。

普段の様子から始まり、学校の人達への対応とか根掘り葉掘り聞かれた・・・。


「はいはい!あんたのYouMa好きは分かったからご飯にしましょ。」


「むぅ〜。」


助かった〜叔母さんナイス!!それにしても芸能人じゃ無いのにファンが付いてって凄いとは思う、そんな人が私の彼氏なんてっ///特に隠したりはしないからいずれはバレるだろうしその時は仕方ないとして、悠馬と一緒に挨拶とかになるのかな〜?

この人が私の彼氏ですっ///ってっ!!きゃぁぁぁっ!考えただけで何かハズいっ///別に嫌なわけじゃ無いしむしろいつでも!って思うけど!思うけどっ!


「愛央ちゃん・・・何で顔を赤らめてクネクネしてるの?てか何を考えたの・・・?」


「はっ?!///な、なな、何でも無いよ?!」


おばさんからいぶかしげな顔もセットで聞かれて私は何とか取り繕いながらリビングに向かって全員でご飯を食べる事になったけど、ぶつぶつと口に出して無くて良かった・・・。


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「ん-私の葬式の時はBGMはリフレインがいいなぁー!」


「何を縁起でもない事言ってるのよ・・・。」


そうだーそうだー私の為の曲を葬式の曲になんてさせないんだからね!


「あの曲はそう言う時の曲じゃ無いでしょ・・・。ねぇ?愛央。」


こっちに振らないで欲しいんだけどっ?!


「う、うん。流石に悠馬もそれは怒るんじゃないかな・・・?リフレインはその為の曲じゃ無いし。」


「むぅ~・・・確かにそれはありそうだけどでも大好きなんだよねぇ~。」


大好きなのは良いけど・・・自分の葬儀の時に流さないでよ!って言うか何年先の話してるのこの従妹は・・・。

好きになってくれるのは良いけど、葬儀では使って欲しくないなぁ~・・・。


「あっ・・・それで思い出した!」


何か嫌な予感がする・・・。


「愛央!あれは誰の事だったの!?」


「あれって・・・?」


「俺の好きを舐めるな!とリフレインを送られた人っ!!!!」


、なんて言える訳無い・・・。


「知ってるけど・・・。」


「やっぱり学校の子?!それとも他の子?!」


「い、言わないよ・・・。」


「誰なのかしらねぇ~?あんな情熱的な事された幸せな子は~?」


お姉ちゃん・・・その顔止めて!バレるから!ニヤニヤするなっ!こっちみるな!


「学校の子だけど・・・秘密。って言うか誰に聞いても誰も話さないよ。学校の人達は皆、悠馬の味方だし悠馬の顔が曇るの嫌がってるから絶対に誰も言わないよ、勿論、私だって言わないー。」


「ぬぐぐぐ・・・。はぁ・・まー確かに私が愛央の立場でも同じ事答えるか・・・。」


あら?諦めた・・・?


「学校の子なら普段も一緒に居たりするんでしょー?どんな感じ?やっぱりラブラブ?いちゃいちゃ?えちえち?」


学校でえちえちは無いでしょ?!そりゃーしたくない訳じゃ無いけど・・・。


「あ~うん・・・とっても仲が良いしすごいラブラブなのは見てて分かるかな・・・。」


お姉ちゃん!後ろ向いて肩を震わせてるんじゃないよ!私だって自分で自分の事ばらさないといけないってどんな罰ゲームって感じなんだからね?!


「いいなーいいなー!羨ましすぎる・・・。やっぱりお弁当とかも作ってるの?!」


「ふぇ!?・・・あぁうん、食べてるの見た事あるよ~・・・。」


バレた?!って思って最初に変な返答しちゃったけど何でこんな事まで言わないといけないの?!ねぇ?!何なのこの時間?!いじめ?!罰ゲーム?!


「そ、それと・・・っ///」


何を聞く気・・・?何で顔を赤くしてるの・・・?


「え、えっちは・・・?やっぱりもうしたのかな?///」


「し、しし、ししし、知らないよ?!///流石にそこまでは分かんないからね?!」


「そ、それもそっかっ///でも多分してるよねぇ~・・・///YouMa様は他の男子と違ってそっちも凄そうな気がする・・・っ///」


ほんともう勘弁して!言える訳無いし!言ってたまるかぁぁぁ!


そうして根掘り葉掘り色々と聞かれてその質問を上手い事?躱しながらバレない様にするのが本当に大変だった・・・。


「いや~楽しかったー!愛央のあたふたしながらもバレない様にしてるの笑い堪えるの必死でもうっ。」


くっそぉ・・・お姉ちゃんめっ!腹筋が筋肉痛になる呪いをかけてやるっ!


そんな事を帰りの電車の中で考えながらお姉ちゃんのお腹に念を送り続ける私だったのでした。

はぁ・・・法事よりも疲れたよぉ・・・。


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