第4章 星川 愛央編
第43話 俺が好きなのは・・・
入学から既に一か月たって、世間はGW真っただ中だ。
俺は湯船につかりながら入学から一か月の事をぼけーっと考えていた。
因みに部活関係は特にどこかに所属はしてないが・・・顔を出しに行くと皆喜んでくれるし身体動かしたい時は参加させて貰えたりもするし頭使いたい時は文化部系で遊んだりとしてるからもしかしたら全部の部活に所属扱いかも知れないけどそこは俺も気にしてない。
「って言うか気にしても仕方ないってのが一番の理由だよな・・・。」
そんな事よりも愛央達の事だよな~・・・。
「星川愛央、俺が初めて見惚れた女の子で、仲は良好だと思う・・・、けどここの所は何て言うか愛央の気持ちが良く分からないって思う事が多いんだよな、最近は何処か辛そうって言うか悲しそうって言うか思い悩んでる顔してる時があって気にはなるけど、踏み込んで良いのか、判断に困るし愛央から話して来るのを待つべきなんだろうなって何となく思うんだよね。」
「天音志保・・・愛央の友人で愛央と同じく入試の日に知り合った女の子、お淑やかで言葉遣いも丁寧な子。
見た目も勿論好みだし綺麗だし多分、好かれてると思う。」
「伊集院清華先輩・・・ストリートピアノの演奏をしてる所で知り合って守って連弾して・・・・とても綺麗な人だし3人の中で一番の巨乳・・・。この世界の男子は兎も角、俺の世界の男子なら殆んどが目が釘付けになる位のレベルの女性。
多分だけど清華先輩にも好かれてるとは思う。」
でもなぁぁ・・・・っと湯船の中に沈み込んで俺はこれからどうしたいんだろうっと考えてるけど答えは一切出ない・・・。
この辺はまだ元の世界の意識が強くて誰か一人を選ぶって思うと他の二人を傷付けるって考えたり、3人と付き合っても問題無いんだよなこの世界、しかも美女ハーレムって言う男の理想と夢が叶うって考えが頭の中を行ったり来たりを繰り返していた。
ぶっはぁぁぁっと湯船から顔を出しながら止めてた呼吸をしてブルブルと頭を振りながら水気を払う。
「でも、やっぱり・・・一番好きなのは、って言うか女の子として好きなのは愛央だな・・・。勿論、志保も清華も魅力的なのは間違いはないんだけど、愛央と一緒に居るだけで心がぽかぽかして幸せを感じるし落ち着くし・・・。息苦しくないってこの部分は志保も清華先輩も一緒か・・・。」
ふぃ~・・っと考え事をしながら洗面所からリビングに行った俺は遂にやらかしてしまった。
「ただいま~、良いお湯だったよ~。」
「あ!悠ちゃん、おかえ・・・・りぃぃぃぃぃぃぃ?!」
「兄さんおかえ・・・ぶふぉぉぉぉ?!」
っと二人共鼻血を出しながら顔を手で隠して(指は確りと開いて見えてるやつ)大慌てである。
「二人共どったの?っていうか鼻血出てるじゃん!!!??」
トコトコと近づいて行った俺に対して菜月が行き成り大声をあげてきた。
「ににににいいいいさんぅぅぅ!服!服!きてぇぇぇぇ!!!引き締まってて素敵だけど素敵だけどぉぉぉ!刺激強すぎるぅぅぅぅ!!!」
「悠ちゃん!早く着替えてぇぇぇぇ!流石にお母さんでも刺激強すぎるからぁぁぁ!!!」
「あ・・・・ごっごめん!直ぐ着替えてくる!」
っと上半身は裸のままなのを思い出して俺は急いで洗面所に戻るのだった・・・・。
「っと言う訳でだ・・・。相談って言うか雑談って言うか質問って言うか何だけど・・・。」
「ふぁい、どうしたの、悠ひゃん。」
菜月も母さんも鼻にティッシュを詰めたまま向かい合って話してるんだけどどうにもこうにも、締まらない・・・。
鼻にティッシュ入ってるし顔真っ赤だし・・いやまぁ、俺が悪いんだけど・・・。
「えっとさ・・・・、あのな・・・?」
「どうしたの?兄さん。」
「あ、愛央の事・・・何だけど・・・。」
「愛央ちゃんがどうかした?もしかして喧嘩でもしちゃった?」
「いや、仲良しだよ?聞きたいのは二人は愛央の事はどう思ってるかな?ってさ。」
「愛央ちゃん?」「愛央さん?」
不思議そうな顔で俺を見てる二人に向かって覚悟を決めて自分の気持ちをはっきりと伝える事にした。
「愛央が好きだ、俺は愛央が一人の女の子として好きだ。」
「あ、あら・・・?」
「わ、わわわわっ////」
「入試の日に愛央に出会った時に余りにも綺麗で可愛い子だなって見惚れて気になってさ、この2か月一緒に居てどんどん惹かれてるのに自分でも気づいてて・・・愛央に自分の気持ちを言うだけ言おうかなって思っては居るんだけどまだ2か月でしょ?流石に早いし迷惑かなって思っちゃってさ・・・。それにやっぱり二人がどう思ってるかも気になっちゃってさ。」
「悠ちゃん・・・うん、そうねぇ~・・・。確かに早いかも知れないけど良いんじゃないかな?愛央ちゃんなら私も安心出来るしっ。これは愛央ちゃんだけに限った話じゃ無くて志保ちゃんも清華ちゃんも同じよ。」
「いや、今は愛央の事を・・・。」
「ふふっ、分かってる。お母さんは賛成よ。」
「愛央さんなら私も賛成ー!でも・・・う~ん~・・・。」
「どうした?菜月。」
「あのね、この間会った時に何か思い悩んでるの分かって聞いてみたんだけど、大丈夫だよって言っててそれ以上聞けなくて・・・。かと言って他に好きな人居るとかじゃないってのは分かるんだけど何を悩んでるのかなーってのは気になっちゃうかなって・・・。」
「うん、それは俺も感じてるけど踏み込んで良いのか判断が付かなくてな、何となくだけど愛央から言って来てくれるのを待つべきかなって・・・。」
「うんうん、それで良いかもっ。愛央さんも兄さんが気付いてる事は分かってると思うしっ!それは兎も角にして!兄さんは愛央さんの何処に惹かれたの~?」
「ちょっと前ってか先月の部活見学の時か3日目の時に文化部系を見終わって戻って来た時に先生に俺が呼ばれて職員室に行ってさ、その時に先に帰ってて良いよって言った俺を待ってるからって言ってくれて待っててくれた事あったんだ。」
「あぁ!あの少し遅くなった日ね!」
「そうそう、あの日にさ、教室に戻ってきた時に愛央は寝ちゃってたんだけど夕日に照らされた愛央が凄い綺麗でついつい見惚れたんだよ。だからって訳じゃ無いけど、普段の愛央との付き合いで一緒に居ると落ち着くし、一緒に居るだけで幸せを感じるしさぁ・・俺はこの子が心から愛しいなって思えたんだよ。」
俺の物言いに菜月がそこまでなの?っとびっくりした顔して口をあんぐりと開けてるし、母さんは物凄く優しい顔をして俺は見詰めていた。
「えっと・・・。まぁ、なんだ。それで何だけど・・・。」
「うん、良いんじゃないかしら?愛央ちゃんが受け入れてくれるかは別にして愛央ちゃんと悠ちゃんが付き合うのは賛成よ。」
「はぁぁぁ・・・。愛央さんが羨ましい・・・。兄さんにここまで思われるなんてぇー!でも、愛央さんなら私も大歓迎かな!」
「そっか。んじゃ、頑張って誘ってみようかな・・・。それで告白してみるよ。」
「悠ちゃん頑張ってね!」
「兄さんに告白されて断る女なんて居ない居ない!だから大丈夫!」
ありがとうな、っと二人に伝えて俺は一人部屋に戻っていった。
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SIDE 葵&菜月
「むぅ・・・。愛央さんずるい。兄さんと血がつながってるの悔しい・・・。」
「あはは・・。気持ちは分からなくも無いけど、悠ちゃんが居てくれて幸せなのは間違いないわよ。」
「それはそうだけどー!自慢の兄さんだけど!!!むぅぅぅぅ・・・・。」
ヤキモチ妬いてるなーっと自慢の娘を見つめながら、あの悠ちゃんが・・・一人目を決めた事に嬉しいやら、寂しいやら複雑な気持ちを抱いていた。
「それにしても・・・一体何人のお嫁さんが出来るかしらねぇ~?」
「考えたくない!!!兄さんが女に囲まれてるのなんて!!!」
あらあらとヤキモチ妬いてる菜月を撫でながら、少なくても志保ちゃんと清華ちゃんも確定よねぇ~きっとっと今、一番近い子達の事を考えながら悠ちゃんが上手く行けば良いなっと思いながら部屋に戻って行った最愛の息子の幸せを願っていた。
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