カキアゲ

山羊


 いつからだろう


書く事に見えない壁が出来たのは


 いつからだろう


書く事に叶わぬ目標を作るようになってしまったのは


 いつからだろう


書く事を楽しく思えなくなったのは


子供の時に見た週刊少年ジャンプを読んでマンガを描きたかった


絵が上手くなかった


頭の中で妄想したものを作品として作りたかった


絵を描く練習をした


上手くならない


目的に辿り着くまでに時間がかかる


一冊の小説に出会った


こんな方法があるんだと感動した


一冊のキャンパスノートと鉛筆片手に


小説を書き始めた


文章はぐちゃぐちゃだ


だけど楽しかった


自分の中の妄想を作品に出来る事


一つの作品を書き上げた時に


初めての作品を書き上げた時に


感動した


もっと書きたいと思った


純粋だった


色んなマンガや小説に出会った


書きたいと思うものが増えてった


書くことが楽しかった


書き上げる事が感動だった


ある日、突然


壁にぶち当たる


楽しかった時の気持ちは忘れている


小説を書こうとするたびに


文章を綺麗にしよう


こんな表現にしよう


これはどう文章にすればいいんだ


そんな事ばかり考えるようになる


とてつもない大きな壁にぶち当たった


文章を書こうとするたびに文章を綺麗に書こうと考えて書く手が止まる


吐き気がしてくる


文章を書く事が気持ち悪くなってくる


書きたい事は決まってる


頭の中で構想は出来てる


なのに


文章を書こうとするたびに気持ち悪くなる


大きな壁を作り出したのは自分自身


壁を壊すために自分自身と戦う


そんな事はしない


壁を壊すために自分自身を説得する


そして、自分自身と協力する


綺麗な文章を書く事を考えないで


ぐちゃぐちゃな文章でも


一つの作品を書き上げる事


頭の中の構想を作品として完成させる事


それが結果的に


一番の成長に繋がるのかもしれない


さあ。自分自身で作り出した大きな壁を


自分自身と協力して壊しに行こう。


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カキアゲ 山羊 @yamahituzi

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