思い出を乗り越えて

桜蘭

第1話 プロローグ

「ほらっ!急いでー!遅刻するよっ!」


「分かってるっつーの別に少しくらい遅刻してもいいじゃんか。」


「ダメっ!おじさん達にも頼まれてるんだからね!」


「全く……まぁでも、実際助かってるけどな。俺一人なら遅刻云々の前に餓死してるしなー。」


「容易に想像できるから笑えないわよ!!!少しは料理とか覚えたら良いじゃないの、何時までも私が側に居るわけじゃないのよ?」


「なんだよそれ、これからもずっと一緒に居てくれねーの?居てくれないと困るんだけどなー。」


「えっ?!それって‥‥///」


「何でもねーよ!ほら!折角間に合う時間に家出てるのに遅刻しちまうぞ!」


「ちょっと!手///皆に見られたら///」


「今更気にしても仕方ないだろー幼馴染っての皆知ってるんだし、それとも嫌か?彩音。」


「うっ‥‥ううん///蓮夜が良いなら私は別に///」


「なら問題ないな、つーか顔赤いぞ?大丈夫か?」


「大丈夫だから///それよりもほらっ!急ごっ♪」


「おう。そういや今週末って予定あるか?ちょっと付き合ってほしいところあるんだけどさー。」


「んーお昼くらいからなら大丈夫よ。何か買いたいものでもあるの?」


「うん、まー、そんなところだ、大丈夫なら付き合ってくれ。」


「うんっ!それじゃ週末はお出かけだねっ!」


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「あの時の夢か……」


4年前、俺とあいつの関係が変わったきっかけの約束を結び付けた日。

俺事、神代かみしろ蓮夜れんやと、幼馴染の少女、ひいらぎ 彩音あやねの関係が変わる切っ掛けの始まり。


「いい加減起きるか~‥‥昼も過ぎてるし、無理言って独り暮らしさせて貰ってるし適当な生活してたら、笑われちまうしな。」


「冷蔵庫も空だし、先ずはスーパーからだな。それじゃ行って来るわ、彩音。」


外に出る準備を整えて、机に飾ってる写真立ての中で幸せそうな笑顔を浮かべてる少女に語り掛けて、俺は外にでる。


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