神に見放され、『悪魔』に魅入られた少年は学園生活で成り上がる〜禁忌魔法だけで上を目指す。そして

猫屋敷

第零章 プロローグ

第1話 プロローグ

———苦しい、苦しい、苦しい!


体が蝕まれるような強い痛みが、全身を巡る。取り拭うことのできない、この激痛。

玉響とは言えど、長く感じてしまうその痛み。


———痛い、痛い、痛い!


激しく脈を打ち、心臓の鼓動が速くなる。

頬に冷たさを感じる。固い地べたに寝転んでいるのが分かる。うつ伏せに寝転んでいると言うのが、分かる。


「それがお前の運命さだめだ」


———俺の、運命さだめ…?


誰かの声が響き渡る。徐々に声が聞こえて来なくなる。意識が失いかけ、視界は混濁する。

身を委ねてしまいそうなほど、痛みは体全体を走る様になり、何か大事な事を忘れてしまっている。

忘我。何を忘れているのか。


———ぐぅっ!!


鋭利な刃物が鋭く体を貫通した様な、そんな痛みが生じる。忙し過ぎる。全身に回る痛みと、新たにやってくる痛み。

思考が追いつかないほど、色んなことがあり過ぎている。


「貴様は呪われている。ーース・ーーーーン」


大事なところだけが聞こえない。霞んだ視界は徐々に重たくなる。

このまま眠ってしまいそうな。


そんな予感がした———。


ーーーーーーーーーーーーー


ロイス・ハウクソン。

君は死ぬのか?

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