第一章 牙狼の刃

第一話 平穏な日常

「ふぁぁぁねむ。」


学校と言うものは残酷だ。

平日は夏休みだとか、休日以外ほぼ毎日行かなければならない。ゆえに残酷。寝坊などすれば職員室行き。


人の名前を覚えるのくそ苦手だから本当にいきたくない。先生の名前間違えてからかわれたこと一生忘れねぇからな。


............ 活動ほぼねぇし、部活動休むか。そう思いつつ、俺は布団から這い出る。


今日はパンでいいだろ。


「早く起きて!遅刻するわよ!」

「....................... 。」


耳をつんざく声が聞こえる。母さんが俺に起きるよう言っているのだ。寝みぃのにそんな大きな声出さなくてもいいじゃないか。


イライラする。


そう思いつつ椅子に座る。

朝起こしてもらうのも、まだ甘えてる証拠かもな。


「おう、おはよう。」

「.................... 。」

「お前は本当に朝しゃべらんやつやなぁ。」


うるせぇ。寝みぃんだししょうがないだろ。

眼鏡をかけた若干ヤンキー感を感じてしまう父さんは、いつもこんなテンションだ。


毎朝ラジオ体操しやがって。ただえさえ体が大きいくせに動くと本当に窮屈なんだよ。しかもテレビ見てるのかと思ったらこっち向いてるし、気が休まんねぇんだよ。



目の前にパンが出される。

そのとなりには、


「母さん、これ食べんくていい?」

「食べなさい。あんたはただえさえ野菜やらなんやら好き嫌い多いんやから。」


わかってるが、無理なもんは無理。


そう、キャベツだ。レタスじゃない。

レンチンしてあるはずなのに芯が固い切られたキャベツだ。


食感と独特の臭さが嫌いだ。

俺はパンだけ食べる。うん、小麦のいい匂い...........まぁほとんどチーズに味を乗っ取られて死んでるけど。


キャベツは、少しだけ食べておく。


「ごちそうさま。」

「キャベツ食べてないじゃない。」

「少しだけ食べたさ。」

「ハァー。」

「お前また食ってないのか。太るぞ?」

「うるせ。」


さてさて、こたつこたつー。

目を擦りながらこたつの電源をつけて横になり、最大限暖かさを堪能する。

あー、こたつ最高、文明の力最高。


「んじゃ、時間だしいってくる。父を見送りたまへ!」

「「.......................。」」

「見送りたまへ!」

「もう、うるさいわねー。」


父さんが何度も言うので、母さんがあきれながら玄関に向かう。俺は当然iPadでヨウツベを見る。あぁ面白。


そんなこんなで時間が過ぎ、出発の時間になる。うおっさっむ。


制服を着てこたつを切る。暖かさが名残惜しいが、これ以上グダったら休みかねん。


「じゃあ、いってきます。」

「忘れ物ない?定期券持った?」

「あぁ心配ない。」


俺は母に軽く手を振りそのまま家を出た。

いざ学校地獄へ!って言ってもただ電車に乗るだけなんだがな。


市電で駅まで行って、そこで乗り換える。

ただそれだけ。スマホゲーしてたら直ぐ終わる。あ、そういやあの小説更新されてたっけ..........


はい到着。


後は、歩いていくだけ。

そのあとは、ただつまらない授業を聞く。

「ここは、エックス2乗マイナス............ 。」


数学はいいんだがなぁ、六、七限だと眠くなるのが難点なんだよなぁ。


「お前どうするん?」

「掃除ないしそのまま帰宅。」

「俺らも帰るか。」

「いや待て運動部、貴様卓球は?」

「今日はあるけど、ない。」

「いや行けよ!」


そんなこんなで友人と話しながら学校が終わる。また駅まで戻るのだが、部活動を休むので、リネで休む知らせを送る。........... やっぱりめんどいしいいや。他の奴らもやってないっぽいし。


そしてまた帰る。

美術部で描く絵のいい案が思い浮かばねぇ、なんて考えている内に家につく。

今日ははや下校。

母さんは、この時間帯は、あれ?今日どこ行ってんだろ?まぁ、今日は母がいない。だから一人。


家で隠れてゲームができる!


「最高。」


この言葉につきる。


「さて、今日はゲームだけじゃなく、

小説でも読むか。」


そして、ネットを開く。パスワードはえーっと、114514............なわけないでしょ。


「なんかいいのねぇかなー............ っと。」 


でも、俺はその日、小説を読むことが出来なかった。













ある一件のメールによって。













ピロン♪

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