コイなつ

くるみ

プロローグ

「太陽のような笑顔をする人だった。」

確かにこの人を形容する言葉に、これ以上適切な表現は見つからない。

辞書にも載っていないと思う。

「なんであの子が。」「誰も気づいてあげられなかったのかしら。」

満面の笑みを浮かべる遺影とは裏腹に

重い空気でいっぱいの葬式会場ではそのような声がチラホラ聞こえた。


これは繊細で奥ゆかしい心を持ったあの子が、この残酷な世界を必死に生きる。

そんなお話。

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