4Season4Legacy

緑樹ユグ

第1話春の国の話

妖怪人見轢沙子は夢を見てた

とても懐かしい夢、または別世界の夢

轢沙子「あれ?何かしら…私、なにか夢を見てる?」

?「おーい、何してんだよ。轢沙子、早く起きろよ」

?「早くしないと、日が暮れてしまいますよ」

別世界の夢なのか?いや、何か昔あったような夢のような気がする

?「轢沙子ちゃんのためにお肉料理。作ってあげるよ!」

?「…ふふ、轢沙子。相変わらずね」

しかし轢沙子はいまいち夢の状況がわからない。これは夢なのか?

轢沙子「待って、あなたたち…誰なの?」

夢だと思うが思い切って発言してみた

?「なんだよー私たち、もう仲がいいじゃないか」

?「…寝ぼけてるの?私たちを忘れたの?」

轢沙子「これ…夢にしてはだいぶ違う…」

その夢の世界は何か懐かしさを感じる夢だった

轢沙子「わからないわ。教えて…」

?「私は…」



ジリリりり!!!

轢沙子「はっ!?あ、あれ??なんだったの?」

夢から目覚めたら自分の自室のベッドで布団が変な方向に動いていた

轢沙子「あーとりあえず目覚まし時計を止めないと…」

目覚まし時計のベルを止める。しかしさっき見てた夢は何かリアリティを感じる

轢沙子「あの夢…いったいなんだったのかしら?昔会ったことあるような。そうでもないような…」

ふと、時計を見るとそろそろ出勤の時間だった

轢沙子「いけない。そろそろ出ないと」

急いで轢沙子は軽い食事をして着替えて家を出た


春の国、シダレカ。ここはいつもどおりの平日の朝を迎えていた

妖怪人見轢沙子は今日も元気に出勤をしようとしてる

いつも挨拶してくれる人に会釈しながら会社まで進むと見知りの友人がいた

轢沙子「あら…?リリじゃない?」

女性としてはとてつもなくでかい女性がふりかえった

リリ「あらぁ?轢沙子じゃない!うふふ!今日も会社に行くのかしらぁ?」

リリ・ポテプという名前。彼女は種族がエイリアンである

高身長192センチというリリ。轢沙子の178センチとは全然違う

轢沙子ですら女性としては高いがリリとなるともっとでかい、はっきり言って記録ができるほどである

轢沙子「ええそうよ。リリこそ何してたのよ?ネネの見送り?」

リリにはネネという子供がいる。まだ中学生だ

リリ「だいたい合ってるわぁ!あと旦那の見送り!」

轢沙子「あなたの旦那…前に出張から帰ってきたと思ったらまた行ったのね…」

リリ「そんな感じよぉ!けど十分家族サービスしてるわぁ!」

リリの旦那はいつも外に居てなかなか家にいない

旦那も種族がエイリアンだが人間の形をしてないという…

轢沙子「相変わらずね…。おっとそろそろ行くわね」

リリ「いってらっしゃ~い!」

轢沙子はリリと別れた



ガタンゴトン…平日の電車はいつも混んでいる。

シダレカは地上の電車と地下の電車に別れているが轢沙子はいつも地上の電車に乗る

轢沙子は車の免許がないため交通手段はいつも電車だ

轢沙子「そろそろ免許でもとろうかしら…この満員電車ほんと毎日つらいかも…」

と心の中でつぶやき、轢沙子は会社へと向かう


轢沙子は会社に着き、最初の朝会をした後仕事をする

するとすぐに種族エルフの女性が来た

エルフ「轢沙子さんおはよう」

轢沙子「ええおはよう」

エルフの人は轢沙子の顔色の悪さをすぐに気づいた

エルフ「なんだか…気持ちよくない顔してるけど大丈夫?風邪?」

轢沙子「う、ううん別になんでもないわ。ただ不思議な夢を見たなーって」

エルフ「不思議な夢?どんな夢なの?ここで答えられる?」

エルフの人は不思議な夢に興味津々だ

轢沙子「うーん、夢で出会った人、私のことを知ってたような人で」

エルフ「うんうん」

轢沙子「けどどこか懐かしくて、何か記憶にあるような夢だった。けど全くわからないの」

エルフ「ふーん?変だねえ?カウンセリングに行ったら?」

この会社は律儀にもカウンセラーがいる。基本、カウンセラーは種族ホビットが多い

轢沙子「いや別にその夢を見たからって気分が落ち込んでるわけじゃないから」

エルフ「ふーん。そっか。まあ変な夢ならあたしもよくあるからさ~

轢沙子さん別に気にしないでいいと思うよ!じゃあね!」

エルフの人はさっさと自分の机に行った

『気にしないでいい』

轢沙子にはちょっとひっかかる言葉だったがこれ以上夢の話をしても意味はないと思った



昼ごはん時、轢沙子はさっさと昼ごはんを買いにいき、自分の机で食べる

轢沙子は肉のある弁当があればなんでもいけるのでいつも昼ごはんは肉付きの弁当だ

昼ごはんを食べてるときに携帯電話からメールが届いた

轢沙子「ん?誰かしら…あ、光ちゃんだ」

塩谷光。ネットゲームで知り合った夏の国アマリリスにいる子である。まだ高校生だ

ネトゲで知り合い、会話して仲良くなり今では連絡先交換もしてるほど仲良しになった

轢沙子「えーと、内容はと…。元気ですかーって普通の挨拶じゃない

…で、次の返事は今日はネトゲログインできますかーだって。できるわよ

あ、写真届いた…って光ちゃんの弁当の写真が来てもねー。どう反応すればいいのかしら」

一応美味しそうね。程度の返事はしておく

光は轢沙子のことを姉と思っておりとてもなついてくれる。なついてくれるのはいいが

姉さんと呼ばれるのは少し照れくさい。光は轢沙子の種族は知っており、種族を言ったら

むしろ逆に憧れを抱いてしまった。妖怪って、結構いるんだけど?とは思ってた

轢沙子「まあとりあえず今日もネトゲログインしましょうか。しないとうるさいだろうし」

高校生って結構暇か?そんな考えもでてきた


夕方。ようやく定時で帰れる時間となり轢沙子は帰る支度をする

この会社はあまり残業がないので助かってる。時々ある程度だ

轢沙子「さて、さっさと帰るとしますか…あ、たまには遺跡でも見ようかな」

会社を出て近場にある遺跡を見てた。繁華街の中にある遺跡である

轢沙子「…ほんとここだけ雰囲気変わるわよね。相変わらず中には入れない感じ」

遺跡の入り口には立入禁止テープが貼られていた

4つの国どこにでも遺跡がありその遺跡は一体なんの理由であるのか?

その遺跡はなぜあるのか。理由は何か。保存する必要はあるのか?

まだまだ全然わからないことだらけの遺跡である…

中には遺跡を巡ろうとするツアーもあるためよくわからない状態

轢沙子「来ちゃったけど特に大して変わったとこないわね。さ、帰りましょ」

帰ろうとしたとき人に出会う

轢沙子「あら?あなたたちカイに由美子じゃない?」

由美子「おう、轢沙子。こんなところで何をしてるんだ?」

カイ「やっふー!轢沙子!」

岸由美子、そして海野カイ。カイは種族が妖魔だが由美子の種族は亡霊である

実際、由美子は亡霊であることを隠している

轢沙子「こんにちは二人とも。何をしてるかって遺跡の確認をしただけよ」

今いる遺跡に指を指して言った

由美子「ここなー繁華街のど真ん中なのに遺跡があって不思議だよな」

カイ「そういえばカイの住む海にも遺跡っぽいとこあるわ!」

轢沙子「不思議よね。けどただそれだけだし何があるってことじゃないけどね」

由美子「本当はここを通るつもりはなかったんだけどな」

轢沙子「二人は何をしにここまで?」

カイ「カイたち買い物に行こうとしたのー!」

轢沙子「買い物なのね。二人の邪魔しちゃいけないから私は帰るわね」

二人の邪魔してはいけないからそそくさ帰ろうとした

実はこの二人は恋人同士なので邪魔かなと思ったのだ

カイ「えー?轢沙子も一緒に行こうよ!」

由美子「轢沙子なら一緒でもいいよなカイ」

カイ「うん!」

轢沙子「いいの?別に買い物なんてないけど、二人がいいっていうなら付き合うわ」

結局轢沙子は二人の買い物に付き合うことになった


ノコヤミシティ。そのひとつである繁華街の中にある商店街に行き色々と買い物した。カイと由美子は結構買ってたが

轢沙子はとりあえず夕飯を買っただけだった

しかし恋人同士だと買うものが色々あるんだなと言った感じ

カイ「たくさん買ったわね~」

由美子「ああ、やっぱり多人数だと買い物が楽しいな」

轢沙子「っていうかあなたたち買いすぎよ…二人でなにするのよ…」

カイと由美子はたくさんの袋を持ってご満悦の様子だ

カイ「とりあえず夕飯でも二人で食べようかなって!」

轢沙子「ふーん。でも私夕飯買っちゃったからこれで帰るわね」

由美子「おう、今日はありがとな」

カイ「楽しかったわ!」

轢沙子「じゃあね」

轢沙子は自分の家に帰った


轢沙子は帰宅して早速ごはんを食べる

轢沙子「あの夢も気になるけど、今は忘れておこう。また見るわけじゃないから」

轢沙子はどちらかというと早食いだが肉となると美味しくいただきたいのでゆっくり食べる

ふと気がつくと夜21時を回っていた

轢沙子「おっと。そろそろネトゲにログインしないと光ちゃんがうるさい…」

パソコンを起動して早速ネトゲにログインした


ネトゲにログインをしてギルドに入り、光のキャラクターに挨拶をする

轢沙子「こんばんは光ちゃん、もといライトちゃん」

光「あ!轢沙子さん。じゃなかったヒッサーさんこんばんは!ログインしてありがとう!」

轢沙子「…ん?なんか見慣れない人がいるわ?」

光のキャラクターの隣にいる見かけないキャラがいた

轢沙子「光ちゃん?この子誰?」

光「紹介するね。冬の国ユキノウエの人だよ!最近入ったばかりなの!」

?「初めまして、私はウィンよ」

轢沙子「ウィンさんね。初めまして。冬の国の人なのね?」

ウィン「そうよ。ライトから話されてね。一応大学生なのよ」

轢沙子「大学生…?冬の国の大学は色々あるけど…」

春の国にも色々大学はあるが冬の国も意外にも大学はある

ウィン「正直いうとクリスタルウィンター大学よ」

轢沙子「あの国立大学!?すごいわ!天才なのね!」

ウィン「別に天才じゃないわ。少し勉強ができるぐらいよ。

あと金が稼げるならしっかり講義を学んで一流企業に就職したいし」

クリスタルウィンター大学は4つの国の中でも一番の大学と言われている

轢沙子「へえ…目標がしっかりあってさすがね」

光「すごいでしょー!私もクリスタルウィンター大学行ってみたいけど、

アマリリスからユキノウエまで行くの遠いんだよね…」

地理的に夏の国から冬の国は正反対の場所にある

轢沙子「そりゃライトちゃん、夏と冬じゃ全然違うでしょ。

あとあなたは夏の国の人だし冬を乗り切れるの?」

光「う…、たしかに冬の国の季節はちょっとどころかかなりつらいかも…

ただでさえこっちは今日は雨で肌寒いのに…」

ウィン「別に冬なんて大したことではないわ。気持ちの問題よ」

轢沙子「気持ちねえ…春の国は常時暖かい気候だけどね…」

光「ねえそろそろクエスト行かない?」

ウィン「そうね。できれば金が稼げるクエストにいきたいわね」

轢沙子「よし、じゃあ行こうか!」

今日は3人でクエストに向かうのであった


夜23時半を過ぎてようやく終わりになった

轢沙子「はぁ、今日もやりすぎな感じがしたわ…

しかしあの冬の国の子、しっかりしてるわね…

ちょっと金にがめつい女の子ではあったけど…

さ、もう寝ないとね…」

ベッドに潜り、照明を消した

轢沙子「…今日もあの夢を見るのかしら。

あのリアルな夢は一度だけでいいわ。

…考え事しないでさっさと寝よう」

轢沙子は寝た



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