第9話 侵入者

「なるほどな。『サンダー』で【スタン】が引き起こせるのは強いと思っていたが、消費魔力が多いのか。」

「ま、メリットしかないなんて、ありえないよね〜」

「魔力補正なかったらやばかったな。あぶね〜」

「あ、そうだ!回復魔法なんだけど、『ヒール』で治せるのは切り傷くらいで、骨にヒビからは治らないらしいから、気をつけておいてね。」

「りょ〜。じゃ、そろそろ夜飯食べて、寝るか。」

「そ〜だね〜」


「「おやすみ〜」」

ちなみに、ご飯は1日分DP1で安いが、美味しいとは言えなかった。余裕が出たらまず衣食住をどうにかしたいな。


             ◇    ◇    ◇


あれから二日が経ち、このまま誰もこないのでは?と思っていたところに、

『侵入者です。』

こんなメッセージがきた。

「なるほど、侵入者はこんな感じでわかるのか。ダンジョン内はここから見ることもできるっぽいな。」

「見てみて〜初めての侵入者は、団体様だよ〜!」

「つっても、ただの村人3人だけどな。これならゴブリンたちでも十分勝てるな。」

「この世界初めての戦いだよ!どうなるかな?」

どうなるって言っても、普通にゴブリンどもが虐殺して終わりだろうけど。まあ、見てればわかるか。


side村人


「なあ、やっぱり、出たほうがいいんじゃないか?ここって、ダンジョンだろ?」

「何弱腰になってんだよ。こんな洞窟は最近まっでなかったはずだ。つまり、このダンジョンは生まれたてってことだ。こんなでもダンジョンを攻略したとなれば、村でも英雄扱いだ。」

「つまり、俺たちにとってはいいことずくめなわけよ。それにしても、見た目はほんとにただの洞窟とかわんねぇな。」

「あ!あれ!魔物だ!」

「!へ、慌てんなって。ありゃ、ただのゴブリンだ。こんなの余裕で倒せるぜ。おりゃよっと!」グチャぁ

「汚ねえな。もうちょい血が飛び散らないようにできない、ん!!!!?」

「おい!ゴブリンの集団の中に、ミニオーガがいるぞ!!」

「な、なんでアイツがいるんだ!ゴブリンは精霊種、ミニオーガは鬼種だぞ!同じダンジョンにいることなんて滅多にないはずだし、ここは出来立てなんだぞ!?」

「く、くるなぁぁぁ!??!!??!」


sideスイ

ん〜やっぱこうなるか。さすがにただの村人には負けるはずないよな。それより、

「ひな、ここでまってくれ。俺がひとりやってくる。加護の効果も見たいし、薄々感じてる、元の世界で禁忌とされていることへの拒否感のなさとかを確認しときたい。」

「ん、りょ〜かい!いってら〜」


この辺のはずだが、あ、いたいた。

「し、しに、しにたくないぃ。な、なんでこんなことに!は、はやく外に、っっ!?」

「やぁ、こんにちは。俺はこのダンジョンの魔王だ。出会ってすぐで悪いが、俺の経験値となってくれ。」ザシュ


あ〜やっぱ、なんも感じないどころか、気分がいいまであるな。これはやばい。自分を見失わないようにしないとな。

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