友達の天使な妹と私の関係進展事情
ゆいとき
友達の天使な妹と私の関係進展事情
全世界で世界的にも有名な存在や名の知れない一般人まで、様々な意図を持って利用されるSNS。他の例に漏れず利用している私のSNSにてだらだらとタイムラインを眺めていると、ある一つの投稿が目に留まった。
『姉と話している友達の中に顔も声も天使のめっちゃ可愛い方がいるんです。もう好きすぎて話しかけたい、仲良くなりたいって思ってるけど、その方の傍にはいつも姉がいて機会がありません。逆に話しかけてくれる時もあるのに緊張して逃げてしまいます。どうすれば良いでしょうか』
その人は私がフォローしているゲーム実況者で、有名とは言えないがそれでも何かしら投稿すれば必ず反応をくれるようなファンが一定数いる程度には名の知れている存在だ。
その名も
さて、そんな彼女だが私も何気に彼女の声とノリが好きで、今までの動画もほとんど見て感想も毎回送り付けている程度にはファンのつもりだ。そんな彼女が初めてプライベートな悩みについて真面目な質問をしているのだ。
なんとか叶えてあげたいが、正直言って高校に入ってから出来た友達なんて数人を数える程度で、自ら進んで作ろうと思うような性格でも無い為にこの悩みへの解決法が上手く思いつかない。
返信欄を見てみると、三人のユーザーが既に先陣切ってコメントを残していた。
『ゴリ押し!』
──それが出来ないから質問してるんじゃん?
『姉が離れるまで一定の距離を保っておいて、離れたら近づいて話してみる』
──ストーカーかな?
『家に帰るタイミングで話しかけて、ついでに家を特定する』
──いやだからストーカーじゃん!
なんとも脳筋な人間とストーカー気質の人間しかいないのか、純粋な彼女に対して変な知識を持たせるなと咎めたいところだ。
こうなるなら、今まで人生でちゃんと他人とのコミュニケーションの取り方を学んでおくべきだった……! と嘆く事しかできない。何で私はこんなに役立たずなんだろうか。
一人で落ち込んでいると、別のSNSアプリにて通知が届いた。友達の
そんな事有り得る訳が無いと分かっていながら逃げるかのように「今から行く」と返信を送り、軽いはずなのに重く感じる体を無理矢理動かし始めた。
○
なんて、まるで遠出でもするかのような言い方をしてしまったが、そんな真彩の家は私の家の隣なので苦労も疲労も無い。友達になった理由も、家に帰る時いつも同じ方向に向かって帰る彼女をストーカー扱いしてしまった事が原因である。
あの時の真彩の顔は怒り半分呆れ半分と言った感じで、彼女の家を見せられた時には外にも関わらず瞬間的土下座をお見舞いして許してもらって以来の奇妙な出会いから始まった仲だ。
私だったら絶対にストーカー扱いしてきた相手と仲良くなんてしないので、彼女はどこか感性がズレているのだと思う。なんて本人に言っては即絶縁されてしまうので絶対に言わないが。
時刻は昼になったばかり。昼ご飯を食べてからと言うのも考えたが、今日は妙に腹が空かなかった。誘ってきたという事は彼女の方も既に食べ終えたか私と同じかの二択だろう。
家の前に立ちチャイムを鳴らす。爽快な音が鳴り扉が開くのを待つが、いくら待っても開く気配が無い。というか人が近づいてくる気配すらない。
内心焦らされながらもう一度チャイムを押してみる……が、結果は同じ。三度目の正直でもう一度押しながら、ポケットにしまっておいた携帯を引っ張り出し彼女に家に着いた旨の連絡を送る。流石に真彩の方から呼んでおいてこの仕打ちは無いのでは? と思わなくも無いが、私は優しい慈愛に満ちた心の持ち主だ。こんな事で怒るほどの短気な性格では無いのだ。
それから数秒も経たないうちにメッセージを見てくれたのか、扉の奥から階段を下りてくる足音が聞こえてきた。ようやくこの暑い日差しから解放される……と先ほどの慈愛云々はどこへ行ったのか、私の身体は正直に冷房の風に浸りたかった。
扉がゆっくりと焦らすように開かれる。少しでも早く中に入りたかった私はもう耐えられないというように、その扉に人一人分の入れるスペースが開いた時点で潜り込むように中に入り、目の前の真彩であるハズの存在に向かって思い切り抱きついた。私はこんなに暑い思いをしているのに何故すぐに開けなかったのか、と直接文句を身体に言いつけるように首に腕を回し逃げられないようにしてやったのだ。
「やいやい真彩ちゃん! なんですぐ来てくれなかったの! お詫びにこの身体で私の苦しみを共有させてやる!」
「きゃあ!」
本当にただ、少しのじゃれ合いと軽い文句のつもりだった。彼女の行動の遅さを本気で咎める訳でも無く、いつもの触れ合いと同じように抱きついただけなのだが、目の前の生き物からは私の知っている真彩とは別の、そしてどこか馴染みのある声が耳に響いた。
おそるおそる確認するために回していた腕を離し真彩(?)を解放する。声の発せられた彼女に視線を向けると、そこにいたのは真彩では無く、普段その可愛らしい顔を拝む事が滅多に出来ない妹の
しかしこれも仕方が無いのだ。美愛ちゃんは本当に自分の部屋から出てくることは無い。そんな彼女が訪問対応に自ら足を動かしてくるなんて誰が予想できようか。
彼女の顔とは反して私の表情は真っ青になっている事だろう。友達の妹に勘違いとはいえ手を出してしまった……もう腹を切るしかない。
何か言い訳を考えても思いつくことは無い。頭に浮かぶのは泣いている美愛ちゃんとそれを慰めながら私を射抜くような鋭い眼で責めたててくる両親と真彩。そして土下座を崩さない私。
──もうダメだ! おしまいなんだ! 私の人生終わった……!
「ただいまー……って、そんな所でなにやってるの?」
これから起きるであろう惨劇を頭に浮かべながら、目の前で固まる美愛ちゃんに何もしてあげられないでいると、横から玄関扉を開けて汗を流しながら家に入ってきた真彩がいた。いや、家にいなかったんかい。美愛ちゃんが出てくれた理由に合点がいった。
内心で突っ込む余裕が出来てきたのか、もう諦めているのか自分でもよく分からない心境に陥る。ここに来てから呪われているかのように全てが上手くいかないでいる。タイミングの悪さをここまで恨むのは初めての経験だった。
「あ、あの、これはぁ……そのぉ……」
私がしどろもどろになって何も言えないでいる事に違和感を覚えたのか、真彩から向けられる視線に厳しさが増す。真っ青な顔で言葉を出せない私と、その横には真っ赤な顔で固まっている彼女の妹。当然私が何かしたのだと思われているのだろう。
事実何かしてしまっているので何も言えない。が、きちんと誤解の部分は解いておかねばならない。流石に私も何の釈明も無く腹切りは避けたいのだ。これは言い訳では無く弁明である。
「……扉を開けてくれたのが真彩だと思って、思い切り抱きついたら美愛ちゃんだったんです……誤解なんです……」
「ほう、友達の妹に手を出したと……」
「違うんです……ほんと、事故なんです……」
「手を出したんだね?」
「誤解って言ってるよねぇぇぇ!?」
「腹切りね」
もうやだ……。
「で、実際の所どうなん?」
「え? 信じてくれたんじゃないの?」
時と場所は移り、彼女の家のリビングに設置されたテレビで二人用のゲームを遊んでいる。普段は真彩の部屋の携帯ゲーム機で遊ぶのだが、今日のように家に家族がいない日なんかは珍しいので、どうせなら大きな画面で遊びたいという時にもってこいなのだ。
真彩はまだ私を疑っているのか、さっきから何度か質問という名の尋問を繰り返してくる。そんなに信用無いのだろうか。それだけ美愛ちゃんを大事に思っているのが伝わるだけに強く出れないが。
「うーん……美愛って確かに人慣れしてないけど、だからって抱きつかれただけであそこまで動揺するかなぁ……」
「真彩が人慣れしすぎてるだけだから! 普通他人と関わり持たない人は他人から話しかけられただけで頭真っ白になるんだから! 舐めんな!」
「
「それでもです。美愛ちゃん、多分手を触られただけでもああなってたと思う」
「そこまで?」
ちなみに妹の美愛ちゃんは既に部屋に戻っている。硬直が解けたのは玄関前で必死に私が言い訳し終わった後の事、ハッと意識を取り戻すように急に覚醒した美愛ちゃんは、私達の方を見ると一目散に走り逃げ出してしまった。ごめんよ美愛ちゃん……。
美愛ちゃんについては前から話を聞いていて、とある理由から学校への登校を拒否しているらしい。かなり他人とのスキンシップに慣れていないというのはさっきの反応から感じ取れた。
その理由がどんな理由であれ、あのような可愛い子が学校に行きたくないと思えてしまうような事が学校で起きていたのかと考えれば心も痛くなる。
「ねぇ真彩、美愛ちゃんって何か好きな食べ物とかあるの?」
「ん~? なに、やっぱり美愛の事狙ってるの?」
「違う! 何ですぐそっち方面に話を持っていくのかね」
「まぁどっちでも良いけど……でもごめん、私も分からない。最近部屋にこもりっぱなしで全然会話出来てないから」
「そうなんだ……本人に聞くしかないのかな……」
「いきなり抱きつくようなビッチと話してくれるかな?」
それを言われると耳が痛い。てかビッチじゃないし!
やっているゲームが一先ず終わり、休憩として真彩はお手洗いに行ってしまった。
実の所、今日はそこまでゲームに集中も出来ずにいた。いくら時間が経っても頭の片隅には美愛ちゃんが常に残り続け、先程の声と反応が私の思考を彼女で埋め尽くしていた。
前から知っている存在ではあったが、美愛ちゃんとの関わりはごく僅かだ。
初めて見た時には目が合っただけですぐに逃げられたし、それ以降もあいさつ程度しか出来ていない。彼女から返ってくるのは挨拶では無く逃走なので心も折れそうになる時もあった。
そして今日初めて声を聞いた。歓迎された声では無く悲鳴だったが。
初めて会った時には既に彼女の容姿に一目惚れして、不純な考えからではあったが是非とも仲良くしたいと考えてきていた。それでも彼女に話しかけると逃げられ、何より彼女の登校拒否の理由も教えられていないため、どんな行動が彼女の地雷となり得るか分からないのもあってなかなか自分から挨拶以上の積極的な行動を移す事が出来ないでいた。
その関係具合を考えると、今日の出来事は事故だとしてもある意味進展しているのかもしれない。何せ悲鳴とは言え初めて声を聞くことが叶ったのだから。
あの声を聞いた時、どこかで聞いたことのある声だと感じたのだが、その正体が頭に浮かばない。自分の大好きな声で、何なら毎日聴いているような……そんなのそれこそ真彩かニアと家族程度のはずなのでありえないか。
「あ、あの……」
「……ん?」
うーんうーんと悩んでいると、気が付けば横には今日の真彩との話題兼私が迷惑をかけた相手兼さっきから悩んでいる対象相手の美愛ちゃんが顔を真っ赤にしながらも俯くように声をかけてくれていた。
美愛ちゃんが私のいるうちに部屋から出る事は滅多にない。それこそお手洗いに行く時などごく偶に出現する低確率のタイミングで挨拶出来る程度だったので、目の前に美愛ちゃんがいる事もそうだし、なにより私に話しかけてくれているというのが信じられなかった。
「あの……名前……」
「ん? 名前? 私の?」
こくこくと控えめに頷く美愛ちゃんを見ていると庇護欲が自然と湧きあがるのを感じる。こう、小動物みたいな反応がより彼女の小柄な見た目にマッチして可愛さが前面に出ていた。彼女の為なら……何でもできるかもしれない。そう考えさせられる反応がなんともいじらしい。
「私の名前は
今まで名前も知らない相手からで会うたびに挨拶だけされてきたのだ、内向的な美愛ちゃんからすれば怖かったのかもしれない。そう考えて自身のこれまでの接し方を反省していると、頭をこれでもかとぶんぶん横に振っている。そんなに揺らすと脳に響くと思うけれど大丈夫なのだろうか。
「そんなこと……無い。私……うれし、かった」
「嬉しかった? 良かったぁ……今まで避けられてると思ってたから、迷惑だったかなと思っちゃって」
「ごめん……なさい……」
「あっ! ち、違うよ? 責めてるんじゃなくて! これからは仲良くできそうかな? って思って!」
「は、はい! はい……私も、仲良くしたかった……ので……嬉しい」
そういうと、泣きそうにしていた表情がたちまち明るくなっていく。今度は縦に頭を振ると、その表情は完全に笑顔になっていた。
同じ高校に通っている一年生だと分かっていても、その見た目と反応のせいでもっと年下のように感じてしまう。彼女は真彩の妹とは思えない程天使だった。
彼女と仲良くしたいと思っていたのは私だけでは無かったのだと分かり安心感が押し寄せてくる。
美愛ちゃんにとっての地雷の話題が分からない以上私から話しかけるのを躊躇していたので、美愛ちゃんから話しかけてくれたという事実は私と彼女の距離を視線と縮めていた。自然と頬も緩みきり、随分と変な顔になっている事だろう。
「愛しの真彩さんが戻ってきましたよ~って……美愛?」
「!?」
そう和んでいる時にこの空気を壊すべく真彩が戻ってきた。
その声がした瞬間、美愛ちゃんに緊張感が強まるのが見て取れる。何故、姉妹に対してこんな反応になってしまうのかが私には理解できなかった。
脱兎の如く家の中だというのもお構いなしに走り出し、階段を一気に駆け上がっていく音が聞こえる。おそらくは部屋に戻ったのだろうが、折角仲良くなれそうだったのだからもう少し話したかった。
「……ねぇ智恵。私、美愛に嫌われてる?」
「元々最近話せてない時点で嫌われているのでは?」
「はぁぁ……だよなぁ……どうすれば良いんだ」
「ごめんね、私はさっき仲良くなったから!」
「……へ? な、どうやって」
「普通に美愛ちゃんから話しかけてくれたけど」
「しょ、しょんなぁ……」
休憩を挟みゲームをする予定だった後半は、真彩を慰める時間に強制的に変更となった。面倒くさい姉である。彼女たちの関係について気になる部分はあるものの、そこにただの友達の私が介入する余地は無い。真彩からいつか話を切り出してくれる時を待つしかないと判断した。
日も暮れ始めた時間帯、流石に帰ろうと一人立ち上がる。
真彩は不貞腐れたのか一人でゲームに没頭してしまっている。帰ると伝えるとまた明日とだけ返しヘッドフォンに手を伸ばしていた。見送りに来てくれてもいいのに、なんとも薄情なやつである。
玄関を出ようとすると、後ろから階段を下りてくる音が聞こえた。振り返ると美愛ちゃんが恐る恐るといった雰囲気なところを見るに、真彩に気が付かれたくないのだろう。
降りてくるのを待っていると、やはり用事は私にあったのか玄関にそのまま歩いてくる。
「あ、あの……!」
「うん、どうしたの?」
出来る限り優しく返す。先ほどの会話で緊張も少しは解けているのか、何やら安心しているようだった。
「あの、宵崎、さんの……宵崎さんのおうちって、どこ、ですか?」
「へ? 私の家? この玄関を出て左隣の家だよ?」
予想外の質問に一瞬間の抜けた返しをしてしまったが、すぐ我に返ると事実をそのまま答えてあげた。私の家なんて何で知りたいんだろう? 遊びに来るとかだろうか。
だとしたら嬉しい。美愛ちゃんとは仲良くしたくても出来ていなかった上にそれ違いの連続で半ば諦めかけていた節がある。そんな私にとって、彼女との関係進展の促進となるであろうこの展開は僥倖である。
「……え! と、隣……隣なんですか?」
「うん、隣だよ。もう外に出て数秒で私の家の玄関着くよ。何なら今から少しでも遊びに来る?」
「!! い、いえいえいえ! 遠慮しておきます!」
「あ、そ、そう……」
あれ、仲良くなったんだよね? まさかここまで拒絶反応を起こされるとも思っていなかったので少し悲しい。というか、こんなまるでナンパみたいな誘い方してくるハズも無いのでは? というか今日やっと話せたばかりで調子乗りすぎでは? とか、後から押し寄せる後悔に自分への反省は尽きない。
というか、普通に学校不登校になるくらいなんだから外に出るのだってあまりいい気分になるはずも無い。私の気の利かなさにどんよりしてしまう。
「あ、あの! 違うんです……本当は行ってみたいんですけど……その、何の準備も出来ていないですし……また今度……誘ってくれたら、行きたいかも、です」
「! じゃあまた今度誘うね! 今日は話せて嬉しかった。また今度ね?」
「は、はい! また今度! です!」
そんなお調子馬鹿人間の私にちゃんと慰めの言葉をかけてくれる彼女はやはり天使なのでは?
どんどん自分を責めたてていた私の心はいともたやすくそのテンションを取り戻す。我ながらなんともチョロい女である。
言葉を刻みながらもきちんと返事を返してくれる美愛ちゃんにほっこりと癒されながら、今度こそ扉を開けて外に出る。最後にまた振り返り軽く手を振ってみると、美愛ちゃんも控えめな笑みと共に手を振り返してくれた。
今日は良い事があったと誘ってくれた真彩に感謝する。そんな思考とは裏腹にその心の内に居座っていたのは、誘われ遊んだ真彩では無くその妹の美愛ちゃんただ一人だった。
○
「眠い……」
風呂も済ませて後は寝るだけ。課題も終わらせ月曜日という一週間で最も嫌われている日をカレンダーで眺めながら、眠気を感じつつも脳内には美愛ちゃんの天使の様な笑顔が常時映し出されていた。
「可愛かったなぁ……妹にしたいなぁ……」
危ない思考に陥ってしまい、自分を取り戻すべく頭を思い切り揺らす。端から見たらやばい女極まれりである。
そんな中で、日課としているニアの投稿が増えていないかSNSをチェックする作業に入る。今日の朝は悩みに答えられない不甲斐無い自分を見せてしまった分、他に何か悩みがあったら必ず助けになろうと意気込みながらSNSを開くと、一時間前に新規の投稿がたった一つだけ。
『今日の朝の悩みについて。返信くれた方の意見通りに頑張って見たところ……なんと! その方の名前と住んでいる家を教えて貰えた程度には仲良く慣れました! 意見をくれた皆さん、本当にありがとうございました! 次は連絡先も聞けたらいいなぁ……』
どうやら悩みは解決できたらしい。返信欄には今日の朝ストーカー紛いの提案をしていた人たちが総じておめでとうと祝福していた。
あの内容で成功するなら私も何かしら言っておけばよかった……と後悔もあるが過去を悔いても仕方がない。『おめでとう! どうかお幸せに!』なんて見当違いの事も混ぜつつ返信を送る。
私も美愛ちゃんと仲良くなれた、家も名前も教えたというニアの状況と全く同じような出来事が今日逆の立場で起きていたんだなぁと感慨に耽る。偶然ってしゅごい。
胸の内に抱える美愛ちゃんとの出来事とニアの投稿に対して若干の違和感を覚えながら、段々と強まる眠気に抗う事は出来ずに意識は朦朧としていく。
眠気から意識を手放す直前、私の頭ではニアの声と美愛ちゃんの声が被って再生されていた。
友達の天使な妹と私の関係進展事情 ゆいとき @YUITOKI
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